想像以上のおもしろさに涙涙 アメリカでヒット中の映画「Dreamgirls/ドリムガールズ」を来月日本でも公開されるのを試写会で見ることができました。会場となった劇場が設備が古くスクリーンも小さかったので始まる前は十分に楽しめるか不安だったのですが、映画が始まってしまうと内容のおもしろさにどんどんひきこまれてそれらのことがまったく気にならなくなったほどです。
ストーリ展開にスピード感があってどんどん歌がでてくる。ステージのシーンでは映画ならではな豪華なセットと60年代や70年代のファッションを再現した衣装やメイク、髪型、それにいろいろな視覚効果を駆使して耳と目の両方で楽しませてくれるのでもし、ストーリーについていけなかったとしても音楽ショーとしても十分に楽しめるはず。通常版のサントラしかもっていないのですが、映画を見終わった後、2枚組みのコレクターズ版を買っておくべきだと思いました。通常版には収録されていない曲が映画ででてきていたような気がしたからです。
もちろん、ストーリーもエンタテイメント業界で成功を夢見る若者達の栄光と挫折を、友情、恋愛、裏切り、家族愛を織り込みながらいろいろな形で見せてくれるので楽しめました。
少し残念なのは60年代の音楽業界の背景にある自由民権運動についても盛り込もうとしているのですが、この時代を知っているアメリカ人にはすぐに理解できるだけのエピソードは織り交ぜているものの、日本人にはあまりなじみのない話ですから、キング牧師の有名な演説がでてきても、それをネタにエフィーがジョークを言ってもなかなか理解しにくく、ましてやいきなり暴動で街が荒廃するシーンが映し出されてもそれが何なのかおそらく伝わってないんじゃなかなと思いました。黒人アーティストが白人層へ指示を広げていくドリームスのサクセスストーリーと表裏一体となってる背景ではありますが、スピード展開の映画で描くのはちょっと欲張りすぎたかなと思いました。
そしてビヨンセ、さすがに映画撮影のときに控え室に使っていたトレーラーをダイアナ・ロス廟と呼べるほどダイアナの資料や写真でいっぱいにして役作りに励んだだけあってそのなりきりぶりは素晴らしいのですが、予想されてたとはいえ「Listen」はちょっと余計でした(苦笑)。てっきりエンディングでエンドロールの部分で流れるだけかと思っていましたが、しっかり劇中で歌われてまして、その部分だけはディーナではなくてビヨンセのPVみたいになっちゃうんですよ。エンディングへ向けてストーリーを変更している点はよりドラマ性を増してよくなっていますが、サウンド的にも他の曲が60年代、70年代のサウンドをベースにしてるのにいきなりエンディングへ向けてストーリーを変更している点はよりドラマ性を増してよくなっていますが、だけ21世紀に飛躍したサウンドで、せっかくディーナを熱演してビヨンセ素晴らしいなと思っていたところにいきなり「Listen」がきたのでちょっとそこは醒めてしまいました。ビヨンセは主演だからと見に行くファンには一番の見所でしょうし、がんばった彼女へのご褒美と思えば許容範囲です。本当はストーリー上このミュージカルのハイライトとなる「And I Am Telling You I'm Not Going」を歌えないので、それに変わる見せ場を作ることがビヨンセサイドの出演条件だったんだろうなと邪推するのはやめておきます。
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