個人的な感覚では同時期にFOXチャンネルではじまった3本のドラマ「Bones」「Huff」「House」。一番楽しめたのがこの「Bones」でしたが、本国ですでにシリーズが終了した「Huff」やシーズン3まで放送が終了し、シーズン4がはじまる「House」に比べてようやくシーズン3がはじまったばかりと新しいせいドラマなせいか、日本でのシーズン2の放送開始を一番待たされてしまったのも「Bones」でした。待ちに待ったシーズン2が放送開始になりますが、まずは第1話だけスペシャルプレビューとして14日に放送がありました。
アメリカのシリーズ物のドラマはシーズン最終話でとんでもないクリフハンガーを用意してオフシーズンに突入というのがお約束。最悪なクリフハンガーといえば、主人公またはレギュラークラスの誰かまたはその家族/恋人の生死にかかわる問題が発生して終わるパターン。しかし、「Bones」シーズン1は主人公ボーンズことテンプレナンス・ブレナンの子供の頃に失踪した両親のうち、母の遺体が確認され、母を殺した犯人を逮捕したのが最終話で、その最後に、生死が確認されていなかった父から「自分達の失踪事件の捜査から手を引け」というメッセージがあったところで終了と比較的良心的なエンディングでクリフハンガーと言ってよいかどうかわからないものでした。ブースやブレナンに生命の危機が早急に訪れるような終わり方でもなかったですし、両親に関する謎がシーズン2早々に解決されるわけでもないことは分かっているので、このクリフハンガーのせいで新シーズンを早く見たい!という邪念はなく、「Bones」の世界に早く戻りたい、ドラマを楽しみたいという純粋な期待で新エピソードの登場を待っておりました。
そして、スペシャルプレビューとなったシーズン2第1話はとりわけエモーショナルに盛り上がって感動し涙したというわけでも、アクションやサスペンスにはらはらさせられてエキサイトしたというわけでもない、シーズンのスタートという気負いを全く感じさせない「Bones」にはごくありふれたエピソードの1つといったお話でしたが、見終わってみて「Bones」ワールドに帰ってきたという安心感をもたらしてくれるエピソードでした。本放送がはじまるのがますます楽しみになってきました。
シーズン1最終話のあらすじ&感想はこちら
遺された思い出/The Titan on the Tracks
再開し和解した兄との休暇から戻ったブレナン、ブースとともに列車事故の現場へ。自動車と列車が衝突した現場でブレナンはジェファソニアン研究所の新所長カミール・サローヤンと会う。列車の犠牲者に上院議員が含まれていたことと、スクインツ達が鑑定した自動車運転席の焼死体が大物企業家ウォーレン・リンチであったので、早速、ジャックは陰謀説を唱えるが、それを新所長はいさめ発表を控えるよう指示する。スクインツたちは新所長カミールの下で浮き足立ち、「カミールは以前にブースとロマンティックな関係にあった」など彼女の噂話で持ちきり、中でもブレナンは休暇中に所長が変わったことと前任のグッドマンから聞かされてなかったことで居心地の悪さを感じているようだ。
捜査状況の打ち合わせで、ブレナンとブースは、検事に対して歯形や身につけていたものから焼死体がリンチで衝突の前に殺されていたと説明、一方でリンチは証券取引委員会から告訴される予定で場合によっては財産の没収や服役が科せられる可能性があったことを知る。彼の死が公表されれば彼の会社の株が大幅に下落することから、事前に死が予測できれば空売りで巨額の利益を得られることが殺人の動機になるとブースは推理し捜査に取り掛かる。(この先ネタバレあり)
スクインツ達の遺体鑑定によりリンチは麻薬中毒者だとわかる、また、リンチは離婚係争中で便利屋リック・タルコに妻の身辺調査を行っていたことから、麻薬の手配もリックが行っていたのではないかとブースとブレナンはリックに話を聞く。麻薬を調達していたという疑惑を否定するリックだが、リンチが何者かに脅迫され3日前25万ドルを渡したと証言する。
焼死体の状況を再現する実験を実施していたブレナン達に対して、すぐに実験を中止するよう叱責するカミール。スクインツ達に自分が認めた実験しか行わないよう命令系統の確認をするカミール。解雇をちらつかされザックとジャックは震え上がる。カミールはカミールで本来は新しい所長がブレナンであったはずとブレナンを筆頭にスクインツ達が自分を邪魔者あつかいしているのではないかと思っており、カミールとブレナンとの間の緊張関係が露呈する。しかし、ブースが二人の間をうまく立ち回り大きな衝突は回避される。
3Dを使ったアンジェラの復顔術で頭蓋骨がリンチのものでなかったと分かる。検事はスクインツ達を非難するがそれをかばう新所長。
麻薬の売人から焼死体の候補となる麻薬中毒者を聞き出すブースとブレナンだが、一方、リンチが、殴られて意識不明にされた上に高速で走る車から捨てられたため、病院でチューブにつながれ2度と意識を取り戻さない状態で発見される。
焼死体の状況やリンチが最後に車を運転していた写真から併走していた車をリックが運転していたことから、当初はリンチとリックが共謀して麻薬中毒者を殺して車にのせ線路に放置、列車との衝突事故でリンチが死んだように偽装し、株の空売りで儲けようとたくらんだものの、リックが儲けを独り占めしようと裏切り、リンチも殺そうとしたことが判明する。
検事は注目の裁判におじけづき、一連の落ち度のせいで公判が維持できないとスクインツ達に責任をかぶせて、リックと司法取引し10年の懲役で手を打とうとするが、カミール所長が「スクインツ達は自分達の務めを果たして証拠を揃えた今度は検事が仕事をする番だ」と司法取引を拒否するよう一喝、文句があるならスクインツ達に言うのではなく自分に言ってくれと付け加える。ブレナンはようやくカミールが所長に任命された理由に納得する。
この事件の捜査中に、ブレナンとブースのもとにブレナンの母を殺した罪で告訴されていたマクビーが留置場内で別の収監者に殺されたと連絡が入る。加害者の男は別の一家惨殺で告訴されていてすでに死刑か終身刑を覚悟しており、今回の殺人がブレナンの父からの依頼であったことをほのめかす。
ブースに促されて母の墓参りに訪れたブレナン。墓の前で故人に話しかけたりひざまずいて花を捧げたりすることを無意味だとブレナンだったが、母に話しかけ花を捧げたことで、父が母の墓参りに訪れた痕跡を見つけたのだった。
新所長登場
やはりこのエピソードの目玉は新所長カミール・サローヤン博士の登場。博士ばっかりでてきていやになっちゃいますが、彼女はNYの検視局長を2年歴任したやり手、考古学者の前任グッドマン所長とは違ってブレナン博士と同様に現場を知っている人間。シーズン1では当初軸となっていた証拠主義のブレナンと、元スナイパーの臭覚を頼りに勘や推理に基づいて捜査を進めるFBI捜査官ブースとの対立というものがだんだんあいまいになっていく中で、シーズン2ではあらたな軸としてこのカミールとブレナンの対比が中心になっていくのでしょうか?
遺体に対する圧倒的な知識と捜査現場での経験を基に常に強い立場で一研究員の立場を逸脱した態度で前任のグッドマンに接していましたが、今回は同じく現場に強いカミールの登場、また彼女は病理学者としての知識も披露しボーンズに対抗、そしてボーンズに対して上司としての立場を主張してきます。
また、ボーンズが骨にしか興味がないのに対して、カミールは現場の消防士の名前をすぐに覚えたり、ザックが昼食には毎回マカロニ&チーズを食べることに気づいて「ザッカローニ」と命名したりして周囲の人間に対する観察眼を持っているキャラクター描き、またスパム(缶詰の豚肉)を使って燃焼実験をするブレナンに対して、そんな実験をしても陪審員から奇異の目で見られ、裁判で不利になると中止させたエピソードで、ブレナン達スクインツが真実を追究し証拠集めだけしか見えていないのに対して、カミールはマネージャー的立場で裁判のことまで視野に入れて判断する力を持っていることを描いていることで対比させています。そのことをちゃんとブレナンに言って聞かせるブースはなかなか男前でした。ブースがシーズン1のお助けポチからブレナン姫を守る勇者にレベルアップしていますか(それは言い過ぎ)?
そして、ブースと過去に関係があったことを匂わせるようなことでブースを軸にブレナンとの三角関係も展開するのかなと予感させます。オフィス恋愛ネタがねっとり湿り気を帯びないことを願っていますが、シーズン1にブースの恋人にスクインツ達がいたずらっぽく茶々入れたぐらい(それで破局しましたが)なら楽しめそう。
麻薬の売人の張り込みをしている最中に時と場所もわきまえずにブースに議論を吹っかけるあたりは相変わらずブレナンでしたが、カミールに対して最初の段階では比較的冷静な対応を見せたブレナンの意外な一面に今回は好感を持ちました。そんなブレナンの良さをカミールに説明するブースはここでも男前でしたね。
両親の失踪の謎は・・・
前シーズン最後にでてきた両親失踪、そして母がなぜ殺されてしまったのか、メッセージを送ってきた父の居所は?といった謎につながる母を殺害した犯人の死で解明が遠のくことになりましたが、全くスルーされてシーズン2がはじまるよりは、それなりに話が進んだところでペンディングとなったのでマシではないかと。最後には父に母を愛する気持ちが残っているというのが、母が大好きだったというドルフィンのチャームが母の墓前に供えられていたことでブレナンにも伝わったわけで。アメリカではシーズン3がはじまるようですが、視聴率的には正念場、場合によっては3途中での打ち切りも可能性としてはあるわけですが、シーズン1最後に急激な展開にはらはらさせられることで十分このネタは楽しんだので、解決せずに終わってもいいかなって気持ちも半分ぐらいあります。それよりも、ファンとしては謎が永遠に解けなくてもいいから4、5、6とシリーズがずっと継続されていくことを願っています。
すいません、書き忘れてたので追記で


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何事もがっしりと受け止めてくれる父親替わりのグッドマン所長に代わって、小言もキツイ母親替わりのサローヤン所長の登場は、お友達気分のスクウィンツたちをよく躾けてくれるのでしょうね。
でもブレナンもその道の専門家ですので、科学者として言うべき事は主張してくれるものと思っています。あとは「仕事と恋愛」がテーマでしょうか。B&Bについては、それが微妙なところがこのシリーズの面白さでしょうね。息のあった2人のやりとりが好きですね〜ブースも肩の力が抜けて良い感じになってきたと思います。この調子でがんばって欲しいなと思っています。
こんばんは!
確かにグッドマンがお父さんならサローヤンはお母さんですね。1週目は大好きなジャックが活躍する場面がなかったのだけが残念です。
ブースはシーズン2に入ってぐんと大人になった印象。この先この路線が維持されるのかやんちゃな面ものぞかせるのか楽しみです。