2006年09月14日

幻のAOR盤デヴィッド・ロバーツ「All Dressed Up」間もなく売り切れ?

幻の稀少盤再リリースも売り切れ近し?
 以前から再発希望する声が多かったデヴィッド・ロバーツ(旧表記デイビッド・ロバーツ)の1982年に唯一のアルバム「All Dressed Up」が、7月に無事、VIVIDSOUNDから紙ジャケット仕様でリリースされました。店頭で見なくなったなと思っていたら先日タワーレコードへ行くとまたずらりと並んでいました(一旦、売り切れとなっていたのが再プレスされたので大々的にディスプレイされていたようです)。なぜかジャズ(ボーカル)&クラッシクのコーナーに。エルダーマーケット(この言葉にひっかかりすぎですね先日からわーい(嬉しい顔))狙いってことなんでしょうが…ひどい。とはいうもののセールスは好調だったのか販売元のVIVIDSOUDのサイト(こちら)では再び在庫切れ。今後、再プレスがなければ現在流通してる分が販売終了後、また幻の稀少盤になってしまうのでしょうか。1991年に一度CD化されたときは、日本盤はすぐに廃盤となり、オークションなどで数万円まで高騰していたこともありました。私も偶然CD化されたときに買っておりましたが…高値で売り抜けるセンスもなく、現在も持っております。近所の中古CD店では店長こだわりの品として別コーナーに鎮座して特別扱いされていました。
 しかし、デヴィッド・ロバーツって誰?なんでそんな無名のシンガーのCDがオークションで高騰?って思う方も多いことでしょう。さらに続く



80年代のたまらないリミテッド感&豪華ミュージシャンの参加
 カナダ出身、当時23歳の新人のデビューアルバムでしたが、その音楽センスを買われてか人間的に魅力があったのかはたまた何か大物の力が働いたのか、西海岸の超一流どころが集結した超豪華布陣で制作されています。エグゼクティブプロデューサーがジェイ・グレイドン、プロデューサーがグレッグ・マティソン、参加ミュージシャンはTOTOのスティーブ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、マイク・ポーカロの3人に、マイケル・ボディッカー、デヴィッド・フォスター、さらにコーラスにビル・チャップリンにトム・ケリーという錚々たる名前が並ぶクレジットを見ているだけでその筋のファンには白飯5杯はいけるのでは?全曲、ロバーツ自身のソングライト作品をこのメンバーでレコーディングできるなんて…本人の魅力もさることながら、1982年の音楽シーンだから存在することが許されたそんなリミテッド感溢れる1枚なのです。軽やかなサウンドにキャッチーなメロディーがのり、そしてロバーツの甘酸っぱさすれすれのさわやかなボーカル、どんなAOR感を持っているファンにも対応できる教科書のようなAOR作品になっております。
ダイアナ・ロスがほれ込んだ1曲
 セールス面において結果はでなかったが、デヴィッド・ロバーツ本人が書き下ろした10曲のうち3曲が人気アーティストにカバーされたといことは、彼の作曲能力/音楽センスはやはり業界で買われていたことを示しているのではないでしょうか。ラムゼイ・ルイス&ナンシー・ウィルソンが「Midnight Rendezvous」をニールセン・ピアソンが「Too Good To Last」(収録されたアルバム「Blind Luck」はこちらもまたAORの名盤として評価高し)の2曲は完全なカバーですが、私がこのアルバムを手にするきっかけとなった「Anywhere You Run To」だけはパターンが違っていて、デヴィッド・ロバーツのアルバムリリース以前にデモテープを聞いたダイアナ・ロスが大変気に入ってレコーディングしたそうです。鈴木道子女史による1982年当時の日本盤の解説では、ダイアナ・ロスがデヴィッド・ロバーツの曲をレコーディングすることが、デヴィッド・ロバーツのアメリカデビュー決定の引き金となったみたいな書かれ方もされています。
 ダイアナバージョン「Anywhere You Run To」についてはすでにWeb版Evergreenでご紹介済み(こちら)。一番脂がのって音楽活動にも熱が入っていた頃のダイアナのレコーディングですので悪いわけがなく、個人的にはRCA時代のダイアナ・ロスのレコーディングでは10傑に入ります。ダイアナバージョンとの比較だとどうしてもボーカルを重点的に聞いてしまうので、ロバーツのバージョンは少し弱いかなと思うのですが、この曲だけはグレイドンとフォスターというエアプレイの両翼が揃って演奏に参加しているので、エグゼクティブプロデューサージェイ・グレイドンとしてもアルバムの中で一押しにしたかったのかもしれません。ダイアナのほうも故ヨギ・ホートンの躍動感あふれる太鼓など聞き所満載の力強いサウンドに仕上がっていて、サウンド面でもやっぱりダイアナバージョンのほうが好みではありますが。偶然にもこの曲を収録したアルバム「Silk Electric」も長らく廃盤&稀少盤扱いでオークションで高騰していたのが昨年日本で再リリースされているので入手可能になっています。
私の一押しは「Never Gonna Let You Go」
 このアルバム、サウンドや曲のクオリティーの高さは聞けば誰もが納得だと思うのですが、評価が分かれるのがデヴィッド・ロバーツのボーカルではないかと思います。若さ、さわやかさはあるものの、一本調子でボーカルアルバムとして聞くには、実力不足であることは認めなければならないでしょう。しかし、ボーカルもサウンドの1パーツ、として聞くことができれば、全体のバランスの中で絶妙な位置取りをして出すぎず、引っ込みすぎないバランスの取り方はこれまたつぼ。若さで押しまくる前半(アナログ時代のA面)よりも、テンポが変る後半へ進むほどこのアルバムのサウンドの世界へ引き込まれていきます。私の一番のお薦め曲は「Never Gonna Let You Go」。あの名曲とは同名異曲ですが、同名タイトルをつけて勝負できるぐらいいい曲に仕上がっています。イントロのシンセサイザーのソロの音色なんて、この時代の音楽が好きな人の胸を鷲掴みしてしまうんじゃないですか?サビメロも作曲の教則本にお手本としてのってそうな完璧なキャッチーさ。全体聞いて、このキンキンしたボーカルは無理かもと思ったときにはまずこの曲で彼のボーカルになれてからもう一度聞きなおして欲しいです。聞いていると癖になる声&歌です。
 その他では「Midnight Rendezvous」でのフォスターが不在のはずなのになぜかフォスター的展開をするサビメロ&アレンジが今回あらためて聞き直して発見したツボです。あの頃に「The OC」が制作されていたら間違いなくサントラに収録されていたでしょう…そんなことをいろいろ考えながら、再発売をきっかけに聞きなおしてみました。
デヴィッド・ロバーツ「All Dressed Up」
Amazon
ダイアナ・ロス「Silk Electric」
Amazon

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posted by Alex at 17:57| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(6) | evergreen (音楽全般) | 更新情報をチェックする
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