2011年07月28日

岩崎宏美 7月17日 NHK大阪ホール公演

Dear Friends Special with Strings 「虹 〜 Singer」
 岩崎宏美さんの2011/2012ツアー、松戸、昭島に続く3か所目となった大阪公演へ行ってまいりました。前日の昭島は残念ながら行くことができませんでしたが、松戸に続いて最新ツアー公演は2度目、素晴らしかったです。
 前回ブログで書いた感想はどこか奥歯に何か挟まったような文章になってしまったと個人的に反省していたのですが、大阪公演は松戸公演と同じセットリスト/パッケージーのショーでありながら1ヶ月の間にさらに練り上げられ、かなりビルドアップされた印象を持ちました。終演後、また宏美さんのすごいショーを観てしまったなと幸せで胸がいっぱいになりすぎて、その場を去るのが名残惜しくなってしまうほどでした。
 今年は「レ・ミゼラブル」で声を酷使されていたので、「歌声」は大丈夫かな?という不安はすでに松戸で「完璧じゃない?」というぐらい元気な歌声を聞かせていただいて払拭されていましたが、大阪では「岩崎宏美はまだまだこんなすごい引き出しを持っているのか」と畏怖すら感じました。その日その日にしか味わえない岩崎宏美の魅力を見逃したくないと、ライブ通いがやめられなくなるわけですね。毎回毎回の公演をライブアルバムでリリースして欲しいと願ったこともありますが、近年のコンサートからベストテイクを集めたと思われる「ライブベスト」の今秋発売決定に興奮しております。
 今回のステージで、歌詞が飛んだところも、とちるとか忘れたとかいうレベルではなくて、あまりにも歌の世界に入り込みすぎて、その時歌っている言葉に集中するあまり、先の言葉を思い返すのを忘れてしまったご様子にうかがえて、歌詞がなかったとしても十分に気持ちは伝わってきたと思えるほどの心のこもった熱唱でございました(この辺りはファンの欲目かもしれませんが)。
 ツアー初日の独特のムードとか、メンバーのみなさんの気合の入った演奏が聴けたり、熱心なファンの方でも「セットリストはどうなるのだろう?」みたいなわくわく感が開演前の観客席に漂っていたり、松戸公演は松戸公演であの日あの時にしか味わえなかった醍醐味がありましたが、あれから1ヶ月も経っていないのにこんなにステージの完成度って高くなるのだなと感心するところがいっぱいあって、最後の握手会で宏美さんに「松戸の100万倍良かったです!」って言いそうになりました。言ってしまうと「松戸だめだったの?」ってことになるからちゃんと心の中に収めましたが。
 宏美さんもステージ上でお礼をおっしゃっていましたが、大阪公演のチケットは一般発売日に即日完売。ですから観客席を埋めたのはファンクラブで買ったり、情報を積極的に仕入れて先行で申し込んだり、発売初日に一生懸命、なかなかつながらない電話やネットと格闘してチケットを手に入れられた、熱心な観客の方々ばかりというのも、座席に座っていてさえ周囲からひしひしと伝わってきたのですから、あのNHK大阪ホール独特の観客席からすっぽり包み込まれるようなステージに立つと、そんな観客みんなの気持ちが良いバイブとなって宏美さんやメンバーの皆さんにも伝わったのではないかと思います。何より宏美さんのオフィシャルサイトにあるライブレポートでの「いいコンサートだったなぁ〜」というご自身の言葉にこの夜のコンサートのすべてが語られているように思えてなりません。

ぜひ足をお運びください!
 今年は「レ・ミゼラブル」への出演がありましたので、夏休みに入る前のツアー前半は残すところ7月30日土曜日のみかぼみらい館(群馬県藤岡市)のみとなってしまいました。残念ながら私は行くことができませんが、お近くのみなさまぜひ足をお運びくださいませ。
 そして昨年同様夏休みの後、宝くじコンサート、日本フィルハーモニー交響楽団との共演のステージを挟んで、9月3日のグリーンホール相模大野公演からツアー後半戦がスタートします。昨年は秋から一部セットリストの入れ替えがあり、ショーがスケールアップしましたので、前半戦をすでにご覧になった方もぜひもう一度、足をお運びください。9月22日には私の自宅からバイクで10分という摂津市民文化ホールでの公演も予定されていて楽しみです。岩崎宏美さんのツアースケジュールは公式HP[こちら]でご確認いただけます。


(この先はセットリストや演出など公演内容に触れます、これから今回のツアーのご覧になる方でネタバレは避けたい方はご注意ください。また、個人的な感想の羅列による暑苦しい文章になりますので苦手な方もご注意ください。)

MCと曲の連係プレイ
 まったく松戸の時と同じセットリスト、また演奏する楽器の編成も同じでしたが、かなり演出面、アレンジ、MCなどで目に見えて変わったところがあり、ステージをますますショーアップしていこうという強い姿勢が伝わってきました。松戸のコンサートをすべて記憶できているわけではないので一部、記憶違いのところなどもあって、間違いがあるかもしれませんが、個人的により素敵になったと気づいたところなどを思いつくままに挙げさせていただきます。
 一番変化を感じたのは、MCと曲の連係が良くなり、ステージが小気味よく展開して、本当に「あっ」と言う間にショーが終わったように感じました。今年はゆったりとしたテンポのナンバーが多い中でそんな風に感じられるって素晴らしいですよね。去年のツアーではMCでも「昔の岩崎宏美、今の岩崎宏美を知ってもらったうえで、これからの岩崎宏美も伝えられたら」というコンセプトを明確に打ち出してショーが進行されたので、熱心なファンにとってはもちろん、初めて岩崎宏美のコンサートを体験する観客の方々にもすぐに宏美さんの世界に入って楽しめる間口が広いショーになっていました。それが新しいツアーの初日の松戸では、全体的に宏美さんにとってプレッシャーとなっていた「レ・ミゼラブル」公演を終えた解放感と、宏美さんの「ホームグラウンド」と言えるコンサートのステージに戻ってきた高揚感とで、いろいろなお話がしたいという宏美さんの思いは伝わってきたのですが、MCがコーナーごとにいろいろな話に飛びすぎていて、去年のツアーも観て、「レ・ミゼラブル」のために帝劇に通って、そして松戸に足を運んだというファンには、宏美さんの話の行間を埋めながら十分に楽しめましたが、1年に1回とか数年に1回コンサートにいらっしゃるファンの方や、これが初めてのライブという観客の方々にはどう伝わったのだろうと不安になったところがありました。たとえば震災の翌日に狭山公演を行った話など、あの時の宏美さんの重い決心、当日あの緊迫した状況下のステージで語った被災者への想いみたいなものが、誤解なく伝わっただろうか?ともどかしく思ったり、「レ・ミゼラブル」のお話も、「レ・ミゼラブル」を5回、今年は見せていただいたので、毎回カーテンコールでプレッシャーから解放されながらも疲労が隠せないなんとも言えない宏美さんの姿や、千穐楽の舞台挨拶を思い出しながら、共演した島田歌穂さんのお話なども興味深く聞けましたが、おそらく観客席で「レ・ミゼラブル」の舞台に足を運んだという方は少数派だったと思うので、そこから「夢やぶれて」を歌うわけでもないのに唐突に話がでてきたことで疎外された気持ちにならなかったかな?と心配になったりしました。それが大阪では「レ・ミゼラブル」が宏美さんにとってどういう仕事だったのかということを熱く丁寧にお話されていて、さらに森久美子さんを中心に「レ・ミゼラブル」のメンバーで被災地を慰問したお話があり、続いて「始まりの詩...あなたへ」の感動的な涙の熱唱へと、立体的にMCから歌そして第一部エンディングへとつながって、もらい泣きされていた観客の方も多かったように思います。私も泣いていましたが、隣のお兄さんなどそんな私の涙がひっこむくらいの大号泣でした。
 何より大阪のMCで素敵だったのは、なぜカバーアルバムをライフワークとして作り始め、作り続けているのかというストーリを織り交ぜながら今回のツアーのコンセプトを、最初にわかりやすくお話しされ、そして、松戸よりもより丁寧にコンサートで取り上げたナンバーについて、なぜ選んだのかどんな思いで歌っているのかといったことをお話ししてくれましたので、松戸公演の後に「キラ星のごとくあるオリジナルナンバーを封印してまでカバーナンバーをなんで歌うのかな?」という不満が少しもたげかけていた気持ちがすっかり納まりました。「会いたい」のエピソードも素敵でしたし、「駅」を歌った後に竹内まりやさんの名前とともにほんとうに名前を出されただけですが中森明菜さんのことにも触れられたので、オリジナルへの敬意が伝わってきてとても好感が持てました。

演奏と演出のシンクロ
 今回のツアーはピアノ・ベース・ドラムのトリオにストリングカルテットという意欲的な編成での演奏で、生のストリングスの音の響きとか、ピアノトリオのジャッジーな演奏とか松戸でも贅沢な音に浸れたわけですが、大阪ではその編成をさらに魅せるという面で進化していたように思います。記憶違いかもしれませんが、オープニングナンバー、松戸ではメンバー全員で演奏されていた記憶があるのですが、大阪ではストリングスの音色だけで緞帳が上がって、そこに上杉さんのピアノが加わり、よりしっとりとした雰囲気での「思秋期」で宏美さんの歌が始まるのもストリングスを特別にフィーチャーしたこのショーにふさわしい素敵な幕開けだなと思いました。
 アレンジが変わっていない曲でも全員が新しいアレンジで「がんばる!」雰囲気がひしひし伝わってきた松戸と違って、ほどよく肩の力が抜けたチームワークで、パートによって、よりソロを演奏している方がクローズアップされ、さらにライトアップの演出とのシンクロ率も高まり、チェロからピアノ、さらにベースといったソロパートの受け渡しがスムーズに伝わってきて、音と視覚と両面で楽しめました。加えて今回、バイオリンが女性だったのも華がありましたね。「シアワセノカケラ」のサビで宏美さんの声とバイオリンとがぶつかるような違和感も解消されていて、「愛燦燦」あたりから場内のあちこちからすすり泣く音が聞こえていましたが、前にも書いた通り「シアワセノカケラ」が癒しのアリアのように場内に響き渡ると、さらにあちらこちらで涙を拭うのが伝わってきて、優しい空気が場内に広がりました。
 箱の大きさが似ていたのかな?昔、ビデオで見たダイアナ・ロスがリッツシアターで行ったライブ、「Stolen Moments: The Lady Sings... Jazz and Blues」を思い起こさせる、贅沢だけど決してよそ行きではないアットホームな温かい雰囲気がでていて素敵でした。思い返すと松戸は少し箱が大きくて、NHK大阪のように観客席全体がステージに近く感じられるホールのほうが、今回の編成/演出がより生きていたように思えます。もちろんスピーカーから音は降ってくるのですけど、ストリングスやベースから発せられる波動は確実に体に直に伝わってきますから。NHK大阪に近い雰囲気の東京フォーラムで行われる10月16日の公演がますます楽しみになってまいります。
 前回、少しネガティブなことを書いてしまったコーラスもより洗練され、「始まりの詩...あなたへ」の最後のサビのコーラスが復活。このパートは個人的に好きなのでうれしかったです。前回のツアーの時のオープニングナンバーでしたが、すごくパワーがいるナンバーをひとりで歌いきってきた宏美さんを、最後の最後でメンバーが後ろからコーラスで後押してくれているんだと解釈するようになっていたもので。今回は特に、宏美さんが感極まって歌われていらっしゃったので、このコーラスが効果的だったなとさらに勝手な思い入れを強めております。「万華鏡」は上杉さんがひとりでのコーラスになって、前回より広がりのあるハイトーンの声(何かフィルターを通されているのかな?)で「万華鏡」らしくなりました。ただ、上杉さんへの負担が大きくなったのか、コーラスが入るタイミングがあれ?っと思う場所で、慌てたようにバチンとマイクを引き寄せられたのには驚かされましたが、宏美さん独特のタイミングに合わせながらバンド全体の演奏をリードしつつ、ピアノも流麗に弾きながらさらにコーラスですから、大変さが伝わってきました。
 「月見草」のライティングもよりシンプルになって、宏美さんとストリングスの4人に目が集まるようになっていたのではないでしょうか。宏美さんのステージのライティングはいつも素敵ですよね。そうそう、今回の大阪公演を観て、気づいたのですが、第一部で白いドレス(もしくは白に見えるドレス)を選ばれたのは、曲ごとにライトによって白いドレスが青く見えたり、赤く見えたり、白く輝いたりといったバリエーションを楽しめる効果を狙っての選択なのかなと思いました。

歌の素晴らしさ ライブの素晴らしさ
 岩崎宏美さんの歌の素晴らしさはあらためて書くまでもありませんし、文字で書けるものでもないわけですが、宏美さん自身が1曲1曲に集中できたとライブレポートに書かれていた通りのパフォーマンスでした。セットリストは松戸公演の時のものをご参照下さい [こちら]。
 第一部のというよりショー全体の中でもハイライトとなっている「五番街のマリー」「黄昏のビギン」「駅」の雰囲気あるシークエンス、中でも「黄昏のビギン」にしびれた。そして宏美さんの歌声をこれでもかと堪能できる「明日」「糸」の流れ、本当に歌の世界が宏美さんの歌声に乗って潮が満ちるように会場を満たしていくのは圧巻です。
 第二部は「秋桜」あたりから会場を埋めた観客の心が秋風に揺れるすすきのようにざわざわしだして、すっかりご自身のレパートリーとして自信を持って歌われる「愛燦燦」では緊張の糸が切れたかのようにあちらこちらからすすり泣く声が。そして宏美さんの近年のコンサートではかかせない「手紙」「シアワセノカケラ」と続き、ラストの「聖母たちのララバイ」が終わった時に、前方の席に座っておりましたので、アンコールの拍手が後ろから押し寄せるような会場中に響き渡りましたので、思わず振り返って見上げてしまいました。
 私は以前、同じお金や労力や時間を使うなら形に残るものをと思ってしまい、コンサートに足を運ぶのは数年に1回という時期もございましたが、ここ数年、命は永遠でないという当たり前のことに気づかされることが重なり、また震災の後は特に形に残るものではなく、いつまでも記憶に残る素敵な思い出を作りたいとより願うようになり、コンサートに足しげく通うようになりました。ショーそのものも素晴らしい思い出として心に残りますし、行く先々でいろいろな出会いがあり、インターネットを通じて長くコンタクトを取っていた方々とお目にかかることができましたし、そしていろいろなお話をすることができました。会場では直接会えなかった方々とも、こうしてブログやツイッターを通じて、宏美さんのお話で盛り上がることができることを大変ありがたいことだと感謝しております。これからも宏美さんにかぎらず、いろいろなアーティストのライブに行けることを楽しみに、がんばれたら。

ラベル:岩崎宏美
posted by Alex at 01:22| 大阪 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | evergreen (女性ボーカル) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
楽しく拝読しました。回を追うごとに練り上げられているんですね。大阪は即日完売のお客さんだから、おっしゃるように特別な雰囲気で盛り上がったんでしょうね。ぼくは相模大野から参加の予定でしたが、たしかに、ツアー後半は曲目の入れ替えがあるかもしれないので、今週土曜は見ておこうかなという気持ちになってきました。
Posted by かまたひろたか at 2011年07月28日 05:32
かまたひろたかさん
こんにちは!
いつもツイッターではお世話になっています。
昨年の東京フォーラムもでしたが、早くに売り切れて当日座席がすべて埋まった会場での公演は出演者にとってはなによりの喜びなんだなと思いました。
群馬は東京からも少し遠いですがぜひ!
行かれましたらご感想お聞かせくださいね。
Posted by Alex at 2011年07月28日 09:48
すみません、ブログの方はしばらく放置かと訪問をサボっておりました(汗)。
今年の夏場は、節電の影響で土日出社が多くなってしまい、もしNHK大阪ホールのチケット取れていても、誰かに譲らないといけないパターンでしたので、早めに完売で諦めがついて結果オーライでした。

ネタバレにならないように注意して、端折って読んだので、もしかしたらコメントされていたのかもしれませんが、歌に説得力が出たのは、6月末に東北の被災地を訪問されたことが影響していないでしょうか?
24日に国際フォーラムでさだまさしさんが「歌は無力かと思ったが、(現地で歌ってみると)微力だ。無力と微力では大きな違いで、これからも長く歌って応援続ける」といった趣旨のことを述べられたそうです。多分、宏美さんも同様のことを感じたのではないかと思いました。

P.S. 今年は、ピンク・レディーも応援しなくてはならず、8月末には伊藤咲子さんのBOXも出るということで、早くも予算オーバーの危機にあえいでいますが、後半も震災復興募金も忘れず、がんばります。
Posted by ギムリン at 2011年07月29日 00:49
ギムリンさん
こんにちは!
被災地に行かれた経験もあるかもしれませんが、まだ行ってから日が浅かったせいか、そのことを思い出すと涙で歌えなくなる感じでしたね。
ピンクレディーは興業が厳しい状況で本当にチケットがよく売れていますね。ソールドアウト続出でうらやましい。
咲子さんのBOXも欲しいですね。
Posted by Alex at 2011年07月29日 13:57
ご無沙汰ですが、あけおめです。
今年最初の宏美さんのお披露目は、NHK大阪のお仕事「新春女子会コンサート」ということで、
この記事にコメントしました。
渡辺真知子さんも出演ということで、リラックスできたかな?

今年もよろしくお願いします。

cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=12f5920130102
Posted by ギムリン at 2013年01月02日 01:52
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック