2011年06月28日

アニタ・ポインター「愛は素顔で」

アニタ・ポインター唯一のソロアルバム
 ポインターシスターズでは個性的な長女と自由奔放な末娘に挟まれてしっかり者のまとめ役に見えるアニタ・ポインターの唯一のソロアルバムですが、このアルバムも当時聞かなかったシリーズになりますね。手にしたのもリリースされた1987年どころか2000年前後に中古屋で出会ってだったと記憶しております。そして手にした時も結局あまり聞く機会に恵まれなかったような。ポインターシスターズのPlanet/RCA時代のアルバムが次々と再発売される中、いよいよ来月は「Hot Together」の再発売、そして8月は本丸の「Break Out」は2枚組のデラックスバージョンでリリースされるというニュースが飛び込んできましたので、その前祝として、CD棚から出してきてじっくり聞いてみましたので、ご紹介します。
 さて、いろいろひも解いてみますと、当時カントリー界で大ヒットを連発してたアール・トーマス・コンリーがRCA移籍してきた際、第一弾アルバムの話題作りとして同レコード会社のスターグループ、ポインターシスターズのアニタに白羽の矢が立ち、デュエットで「Too Many Times」[YouTube]を制作、これがカントリーチャートで2位となる大ヒットを1987年に記録しています。どうやらこれがきっかけとなって、翌1987年にアニタのソロアルバムが制作されたようです。ポインター姉妹の毎度おなじみのスペシャルサンクス欄にはアールの名前やカントリー部門のRCAナッシュヴィルの名前が記されています。しかし、カントリー好きでポインターシスターズとしてカントリー部門でグラミーを獲得したことがあるとは言っても、もちろんアニタのソロアルバムは当時のポインターシスターズの路線であったポップなR&Bナンバー中心の作品に仕上がっています。
 プロデュースはナラダ・マイケル・ウォルデンと組んだステイシー・ラティソウの作品で頭角を現し、ホイットニー・ヒューストンのデビューやアレサ・フランクリンの復活劇にも貢献したプレストン・グラス。彼が得意とする華やかなポップファンクを軸にメロウ系もあり、こうしてじっくり聴いてみると、アニタの確かな歌唱力もあいまって楽しめました。プレストン・グラスがほぼ一人でバックトラックを完成させている80年代独特の打ち込みサウンドが、どうしても一聴すると安っぽく聞こえてしまうので、そこを乗り越えられなかったのが、個人的にあまり聞かなかった理由があるのかなと思います。

バラードに佳曲あり
 目玉トラックになるのはアース・ウィンド&ファイアーのフィリップ・ベイリーとデュエットした「誓い/The Pledge」[YouTube]。ヒットメイカー、トム・スノウが曲作りに参加したわかりやすいサビメロのあるラブバラードで、ウェディングソングにぴったりなナンバー。
 お気に入りはやはりバラードでタイトルチューンの「愛は素顔で/Love For What It Is」[YouTube]。アニタと一人娘のジャダによるバックコーラスが重ねられているのも心地よいですし、この曲だけ生のサックスが参加していて、音の安っぽさがかなり緩和されているのもポイントが高いです。
 ミッドテンポの「Love Me Like You Do」はポインターシスターズでレコーディングして欲しいような楽しい展開があってこれも好きだな。
 どうしてもアップチューンはこれが83−85年の音ならという薄っぺらさで(「愛を信じて/Have A Little Faith in Love」はもろにデバージの「Rhythm Of The Night」だったり)、1987年でこの音作りは勝機が無かったかなと思えてなりません。当時テレビへプロモーションのために出演した映像を見ると、生バンドを従えて、レコーディングバージョンよりかなり骨太の音をバックにパフォーマンスしていたことがわかります(「Overnight Success」[YouTube]、「More Than A Memory」[YouTube])。かっこいい生音バージョンを観てみるといろいろもったいなく感じます。シングル「Overnight Success」がR&B部門で41位という以外に記録が残っていないところを見るとアルバムはまったくの不発だったのでしょうか?
 名門メジャーレーベルながら経営が苦しかったRCAレコードは、1986年には親会社によって解体され、制作部門、生産部門、不動産がばら売りされる状況下、BMG傘下になったばかりのRCAレーベルからのリリースでは制作費/宣伝費に多くを望めなかったことは想像に難くありません。
 ラストの「Temporarily Blue」の浮遊感などもっとお金かけた音作りなら...と悔しいですね。

posted by Alex at 12:29| 大阪 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | evergreen (女性ボーカル) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アニタのソロ!って事で当時かなり期待して買ったんですけど、微妙ーな印象でした。不発、という印象しか、正直残ってないです。一番好きだったのは「You Don't Scare Me」ですかね。せっかくなのでこれを機にもう一度掘り起こしてみようと思いますが。

そうですか、前年にカントリー・ヒットなんか飛ばしてたんですね。 リイシューされたらボートラにつけてほしいものです。
Posted by Suzu at 2011年06月29日 15:16
こんにちは!
当時を知らないですからね、私。
かなりのポインターシスターズファンでなきゃ掘り起こせない1枚。
こうして絶対に取り上げないようなCD紹介するのって楽しいですね。
Posted by Alex at 2011年06月29日 22:52
ひさびさにアール・トーマス・コンリーのCD聴いていてたどり着きました。
彼がRCA移籍してきた際、第一弾アルバムの話題作りとしてとあるんですが、RCAがBMG配下になるときにアーティスト側にチョイスがあったのでしょうか?
アール・トーマス・コンリーは当時すでにRCAでカントリーNo1連続記録中でした。このデュエットでNo1が途切れたと記憶しています。
Posted by ぽむた at 2012年12月31日 16:49
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