2011年02月12日

川島恵「サンシャイン・ガール」

歌がうまい普通の女の子
 「歌がうまいだけの」とは言わない。だって歌がうまいって選ばれた才能だから。でも「普通の女の子」だっらたことが、大豊作と言われた1982年デビュー組の中で埋没しちゃった敗因ですね。NHKのレッツゴーヤングにサンデーズとして毎週出演していたので、当時、アイドルを追いかけてた人にはそれなりに知名度はあるんですよね。EMIから唯一のアルバム「サンシャイン・ガール」が2008年に初CD化されるとすぐに在庫なし/売り切れになったのはそんな根強い人気があるからなのかもしれません。最近になって再プレスされたのか、Amazonなどでも在庫ありになってますので、再び思い出したことを徒然なく書きながらご紹介。
 自分もCDがリリースされたときは小躍りしながらも、コレクションとして買うだけで聞くことはないだろうななんて購入してましたが、iPodのシャッフルプレイで流れてきたら耳を傾けてかなり真剣に聞いてしまうし、下手したら口ずさみますね。デビュー曲とセカンドシングルの両AB面が収録されてたり、デビュー曲と同じ阿久悠=大野克夫コンビの昔の曲(大竹しのぶの「握手」)をカバーさせたり、曲の発注を最小限にするなど予算的な制約を感じさせる中で、音作りはしっかりしたものになっているところに作り手の気概を感じます。

デビューはあの曲だったかも?
 レッツゴーヤングヤングヒットソング枠で1ヶ月歌っていたデビュー曲「ミスター不思議」[YouTube]は沢田研二の一連のヒット曲でおなじみの阿久悠&大野克夫のコンビ。デビューのきっかけとなったオーディション番組でこのコンビが岩崎宏美に書き下ろした「悲恋白書」を歌ったことがこのチームでデビューする流れとなったようです。1982年頃には阿久悠先生はスター誕生から離れアイドルからは撤退していた頃なんですよね。82組のデビューではこの川島恵と真鍋ちえみという勝ち組でなれなかったところを手掛けていたり、あとは早見優の「アンサーソングは哀愁」とかね。「ミスター不思議」は当時にして詞が古いと言われていたみたいですね。
 最近、東芝EMIで担当ディレクターだった鈴木孝夫氏のインタビューを読んだのですが、大滝詠一の「A LONG VACATION」制作中にデモテープで「君は天然色」を聞いて、大滝さんに「女性ボーカルでいけるんじゃない?」って話を持ちかけて、川島恵のデビュー曲にするつもりでレッスンまでしていたんだそうです。それがNHKとの兼ね合いでデビューが遅れて、その間に「A LONG VACATION」が爆発的に売れて「君は天然色」はシングルカットまでされて、なんてことがあったんだそうです。
 川島恵自身が岩崎宏美みたいな歌手になりたいと言っていたのだから「ミスター不思議」で私はよかったんじゃないかなと思うのですが、もし「君は天然色」でデビューしたらまた違った路線になってたのかな。「ミスター不思議」のB面「結婚したなら」[YouTube]も「センチメンタル」とか「私たち」の頃の岩崎宏美を髣髴させるんですよね。

「ザ・サンシャイン・ボーイズ」
 タイトルに「ザ」なんてつく段階でどうなんだろ?って思うわけですけど。隠れ名曲として語られることが多いセカンドシングル「ザ・サンシャイン・ボーイズ」[YouTube]、テレビで歌っているのを見たことないですし、YouTubeにすらありませんね。「昔のポップス」を「ミスター不思議」で追求しすぎた反省からか、当時のアイドルのメインストリームであったTOTO/エアプレイ系の音作りを取り入れて、路線を修正しましたね。高音を生かしたサビがいきなりでてくる構成など小田裕一郎時代の松田聖子のヒット曲を意識したのではないでしょうか?よい子の歌謡曲では年間ベストシングルを受賞しています。なぜか私はB面「乙女ばなれ」[YouTube]をよく聞いていましたね。詞も阿久悠先生らしさがでてて。ただ「乙女ばなれ」は「ミスター不思議」の歌詞にすでにでてきたキーワードってところが、予算的な問題?みたいなひっかかりはあるんですけどね(デビュー曲候補の没パターン?みたいな)。

失恋第一章
 収録曲のうち8曲が大野克夫作曲。それ以外だと「失恋第一章」[YouTube]が今聞くとフォスタータッチなんですけど、残りもう1曲の「夏少女」と共に"日本のデヴィッド・フォスター"林哲司作品なんですよ。スケールの大きなメロディーにも負けない伸びやかな声がいいですねー。埋もれさせてはいけない逸材だったんじゃないかなって思います。アレンジも林氏自身がしてればもっとAOR色が出て本格的な作品になっていたかもしれません。

 ビクターならこのアルバムにサードシングル「処女飛行」(B面、アルバム収録「ためらい志願」はファーストアルバムからの流用)、4枚目の「さよならの言葉は云わないで」/「渚のファンタジー」あたりまではボーナストラックで収録してくれるんだろうなと、EMIさんのサービス精神不足が恨めしかったりしますが、こうして再発売して再び手軽に聞けるチャンスがもらえたことを感謝すべきかな。
 さすがに再々プレスはないと思いますので、興味がある方はお早めに。

posted by Alex at 01:28| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | evergreen (女性ボーカル) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当時レッツ・ゴー・ヤングとかも見てましたけど、本当に見事なぐらい川島さんの事は覚えてないんですよね。
もし「君は天然色」を歌っていたら、その当時は売れなくてもナイアガラ・サウンドを歌ったアイドル歌手って事で、後々色々取り上げられる機会が多くなったんじゃないですかね。
Posted by Suzu at 2011年02月12日 08:44
Suzuさん
こんんばんは!
いろんな可能性があった娘なんだなというのがわかるエピソードだなと思います。鈴木さんというディレクターはこの後、薬師丸ひろ子を担当して探偵物語で大滝作品を引き出してるからまんざら可能性がなかった話ではなかったんですよね。
Posted by Alex at 2011年02月12日 19:44
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