2010年01月23日

ヨーロッパ選手権 男子シングル フリー テレビ観戦感想など

プルシェンコ選手優勝
 ヨーロッパ選手権、男子シングル、SPを首位で折り返したエフゲニー・プルシェンコ選手がフリーでも1位、2位以下をさらに引き離しての完全優勝で4シーズンぶり6度目のユーロチャンプの称号を獲得しました。2位には新プログラム「椿姫」を初披露したステファン・ランビエール選手、3位は怪我からの復帰戦となったブライアン・ジュベール選手でした。奇遇にも4年前、トリノ五輪直前のヨーロッパ選手とまったく同じ表彰台となりました。バンクーバー五輪

男子シングル最終結果
1 Evgeni PLUSHENKO RUS 255.39点 SP1位 フリー1位
2 Stephane LAMBIEL SUI 238.54点 SP5位 フリー2位
3 Brian JOUBERT FRA 236.45点 SP2位 フリー3位
4 Michal BREZINA CZE 224.74点 SP4位 フリー5位
5 Samuel CONTESTI ITA 221.33点 SP7位 フリー4位
6 Yannick PONSERO FRA 219.52点 SP3位 フリー7位

男子シングルフリー結果
1 Evgeni PLUSHENKO RUS 164.09 TES80.99 PCS83.10
2 Stephane LAMBIEL SUI 160.79 TES76.79 PCS85.00 -1.00
3 Brian JOUBERT FRA 147.90 TES68.10 PCS79.80
4 Samuel CONTESTI ITA 145.43 TES76.33 PCS69.10
5 Michal BREZINA CZE 145.14 TES72.54 PCS72.60
6 Javier FERNANDEZ ESP 138.33 TES73.43 PCS64.90

スポーツナビ|ウィンタースポーツ|フィギュアスケート|ニュース|プルシェンコが6度目V 欧州フィギュア第3日



ヤニック・ポンセロ選手
 SPに続いて素晴らしい4回転ジャンプからはじまったヤニック・ポンセロ選手。トリプルアクセルのランディングもまとめてこのまま!と思ったのですが、この後、きっちり決まったのはトリプルサルコウとダブルアクセルぐらいで、もともとトリプルフリップとトリプルループを構成からはずしていますし、終ってみればフリーは7位と順位を下げることになってしまいました。ステップの流れもあって、得意のスピンでも魅了してくれましたし、つるつる滑るスケーティングは随所でさすがだなと感じさせました。シーズンはじめに今季が最後といったコメントをしていましたが、まだ23歳の若さ、競技でまだまだ見ていたいスケーターなのですが。

ブライアン・ジュベール選手
 怪我&手術からの復帰戦となったこのヨーロッパ選手権をオリンピックへ向けた練習という位置づけで臨んでいたジュベール選手。SPでは見事な演技でしたが、フリーはまだまだアイドリング中といった感じだったでしょうか。それでも2種類の4回転に挑戦してきたのには驚かされました。本気でオリンピックで金メダルを獲るたの「練習」ですね。この構成だと重複はトリプルルッツジャンプと、ルッツのコンボでトリプルをつける予定でトリプルトウループになるのでしょうか?4回転ジャンプの挑戦が2回ともミスがでてしまい、特にサルコウは2回転になってしまったので大幅に得点を失いました。トリプルアクセルトリプルトウループやトリプルルッツを綺麗に成功させるなど巻き返したのですが3連続のコンビネーションが入らなかったこともあって技術点でトリプルアクセルまでのスケーター達にも抜かれていますね。この4年間で磨いてきたスケーティングスキルや表現力が認められ、構成点で逆転した形というのが、逆にジュベール選手の成長を証明していますね。あと半月、時間は限られていますが、どこまで体を回復させられるか、表彰台での表情に心の中に期するもの浮かべていたように思います。満身創痍になりながら4年間、男子シングルを引っ張ってきた選手ですからオリンピックでは順位は別にして、これまでの集大成のような演技ができればいいなと願っています。

エフゲニー・プルシェンコ選手
 本当に勝ち方を知っているというか、勝つことだけを目的にしたプログラム構成。4回転ジャンプに3回転半のトリプルアクセルが2回と男子スケーターのあるべき構成をルッツが1つダブルになっただけで破綻なく滑りきる、スピンでは取りこぼしなくSP、フリーと通じてレベル4、ここに到達するまでにどれだけの努力をしてきたのでしょうか。しかもゼロからのスタートどころか誰の目にも明らかなほど競技から離れていたときには体型がすっかり変わってしまったところから、ここまで絞り込む努力をした上でですからね。ただ、4年前のベストな演技を再演するところを目標としているところに他のスケーターには付け入る隙があるかもしれません。4年間で表現であったり、技術であったり、競技の中で切磋琢磨して成長してきたスケーター達には勢いがあったり、フレッシュ感があったり、ジャッジがPCSをやや出し渋った裏にあるプルシェンコ選手に欠けているものを武器にできれば…そのためにはまずはミスを最小限にしてプルシェンコ選手と同じ土俵に立つことが大前提になるわけですが。プルシェンコ選手がミスさえしなければ金メダルと事前予想の段階から言われていたトリノ五輪と違って、プルシェンコ選手がたとえミスをしなくても金メダルを獲れないかもしれない…そう思わせてくれるライバルがいっぱいいるところがバンクーバー五輪男子シングルの醍醐味じゃないですか?

ミハル・ブレジナ選手
 いつのまにかチェコのエースの風格ですよね?きっちりトリプルアクセルが2回入りましたし、なによりスケーティングが先輩のベルネル選手同様本格的。このスピード感から大きなジャンプを跳んでくれると見栄えがしますし、何より見ていて気持ちいい。ブレジナ選手のチャーミングな部分をプログラムも器用に演技していますし、ソチ五輪では金メダル争いに加わっているのではないでしょうか?あとは4回転ジャンプの習得、そして今回は構成からはずしたトリプルループも男子なら構成に入れていて欲しいところですね。ソチと言わずバンクーバーでもデニス・テン選手やフローラン・アモディオ選手、そしてこのユーロでブレジナ選手と同じく素晴らしいフリーを滑ったスペインのハビエル・フェルナンデス選手など次を担う10代のスケーター達が台風の目になる可能性もでてきました。

ステファン・ランビエール選手
 初お披露目となった「椿姫」、いやー素敵でした。解説の樋口先生が思わずバレエダンサーみたいと評したサーキュラーステップは指の先から手の甲、腕、肩、背中、首、そして反対側の腕へといったラインの使い方が秀逸でコスチュームの肩パットもそこを効果的に強調するようにつけられていますよね?シングルの選手でここまで上体が使える選手はいなかったんじゃないでしょうか。終盤の乾杯のワルツのところのステップではミスがでてしまい、せっかく盛り上がるところで拍子抜けをくらわされてしまったのが残念ですが、ジャッジはPCSを出し惜しみしませんでしたね。それでも男子シングルで最初からトリプルアクセルをはずす構成というのは…4回転が2回入れば現在の足し算採点では十分に穴埋めできるとは分かっていても残念。あとは、ここまで素敵なプログラムを発表したスケーターの責任としてノーミスに近い永久保存版を見せて欲しい…オリンピックの後に世界選手権にでてくるとは思えないので、それをスケートファンが拝めるかどうか、チャンスがあと1回しかないのが悔しいと思われるほどです。

 通常、オリンピックの後はトップ選手がごっそり引退してしまったりするものなのですが、振り返ってみるとトリノ五輪の後はプルシェンコ選手が一時アイスショーに活躍の場を移した以外、ほとんどの選手が競技に残っていたんですね。その後の4年間で考えてもバトル選手ぐらいでしょうか?五輪でメダル争いをできる実力者で引退してしまったのは。プルシェンコ選手もランビエール選手も戻ってきましたし、もちろんジュベール選手もライサチェック選手もウィアー選手も高橋大輔選手もいる、さらにこの4年で急成長した織田信成選手、小塚崇彦選手、パトリック・チャン選手も加わって、先ほどヨーロッパ選手権の女子シングルで解説の杉田先生が男子シングルはメダルを取れるかもしれないし10位にも入れないかもしれないとおっしゃっていますが、本当にその通りの層の厚さですね。しかし、その反動でバンクーバー五輪が終るとごっそりトップスケーターがいなくなってさびしくなってしまうのでは…ということがオリンピックが終るまで考えちゃだめでしょうか?

よろしければ人気ブログ投票おねがいします(こちら)

この記事へのコメント
Alexさん、こんばんは。

ロシア代表、2人目はヴォロノフ選手ではなくボロデュリン選手とのことです。
ボロデュリン選手、フリーが昨季からのキープでしかもイマイチのプログラムだし、
どちらかというとヴォロノフ選手に行ってもらいたかった気がします。
今回のユーロの出来と評価では仕方ないのかもしれませんね。残念。
Posted by さざんか at 2010年01月23日 23:46
ボロノフ、今季は好調だったのに・・・
ジャンプがあれだけ決まってもPCSの評価が辛くていつも台に乗れない、そんな理不尽な扱いを受け続けた結果がこれじゃかわいそうな気がしなくもないです。
彼の豪快なジャンプを是非ともワールドで見たいものです。
Posted by エミリ at 2010年01月24日 13:08
さざんかさん
こんばんは!
オリンピックとなると4年後はどうなっているかわかりませんから出たかったでしょうね。かわいそうと言うしか。なんていうか残念。ウルマノフコーチもがっかりされているでしょうね。

エミリさん
こんばんは!
プルシェンコ選手はよほどのことがないと世界選手権出てくる気がしないのと、枠獲りを考えると…都合のいいときだけってのは選手に失礼だと思いますが…ヴォロノフ選手を派遣するのではないでしょうか。それより競技を続けるモチベーションが保てるのかどうか、若い選手だけに心配です。

Posted by Alex at 2010年01月26日 01:35
こんにちは。
ボロノフ選手のモチベーション心配ですよね。

ロシアは、ソ連時代の体操の選手選考などで、よくこういうことしてましたね。勝つためには選手の気持ちなど無視って感じで。

バルセロナの女子体操では、団体と個人予選が終わった時点で個人総合に残った選手がいたのですが、予定では総合に出るはずだった国内トップの選手が予選不振で予選落ちしたため、予選に残ったの選手の怪我を理由に総合で勝てそうな選手と交代させたなんてのもありました。実際には怪我してなかったんですが。そして、その交替した選手がアメリカの選手に競り勝って個人総合を取りました。

ソビエトの元連邦国家がひとつの共同体として出た最後の五輪だったので(実際にはソ連崩壊後でしたが)、ソ連としては国の威信にかけてどうしても個人総合を取りたかったんでしょうね。それ以前にも似たような事が結構ありましたね。その程度のことを乗り越えられない選手は駄目になっても当然という厳しさなんでしょうね、きっとロシアは。
Posted by エミリ at 2010年01月26日 16:21
エミリさん
こんばんは!
体操ではそういう話よくあったようですね。
実はバルセロナオリンピック直前の世界選手権でにわか体操ファンになった時期があったので当時の選手を懐かしく覚えています。チュソビチナ選手がグツー選手と交替させられたんでしたっけ?それがソ連(当時はCIS?)では日常茶飯事だったのかチュソビチナ選手からもネガティブな発言は聞かれませんでしたよね。しかも、チュソビチナ選手って病気のお子さんのためにいまだに現役でがんばってらっしゃるんですよね!北京にも出場されていたんじゃなかったでしたっけ?本当に強い人です。
ヴォロノフ選手もとても残念だと思いますが、決まってしまったことですから、これによってさらに強くなってもらえたらなと…ファンとして身勝手ながら思います。世界チャンピオンだって狙える才能を持っていますよね?
Posted by Alex at 2010年01月29日 04:17
ごぶさたしています。フィギュアスケートの記事を休んでおられた時期も、再開以降も、ずっと拝見していました。

>通常、オリンピックの後はトップ選手がごっそり引退してしまったりするものなのですが、

>反動でバンクーバー五輪が終るとごっそりトップスケーターがいなくなってさびしくなってしまうのでは…

同様のことは、私も1年ぐらい前まではずっと頭の中にあって、特にトリノ五輪後はあまりメンバーが変わらずに来たので今大会以降は大きく代替わりするだろうな、そうしたら私は寂しさに耐えられるかな、スケートの応援を続けられるかな、っていう懸念が頭を離れなかったんです。

でも今現在、メンバーは充実しているし、そのメンバーの多くが競技の続行をほのめかしているようです。次の五輪までは具体的に考えられなくても、少なくともあと1年2年、というスパンなら続ける可能性が高いと言っているトップ選手は複数いるし、地元開催のソチ五輪への出場意欲を示しているプルシェンコのような人もいます。フルシーズン・フル大会出場ではなくても、これからも活動を続けて見られそうなトップ選手は結構多くなりそうな気がしています。選手層が厚くなって面白くなる一方のように思います。

FSUによれば、村主さんがすでに前に進み始めているという話もあります。

http://www.fsuniverse.net/forum/showthread.php?t=71144



>チュソビチナ選手

名前は失念してしまったし結婚で姓が変わっていたかもしれませんが、北京五輪の種目別跳馬に出場してメダルを獲得した方かもしれませんね。

選手の競技寿命はどの種目でも伸びる傾向にあるようですし、いったん引退を宣言した選手が復帰する例は最近かなり多いと思うし、もちろん生活上の理由ということもあるだろうし、続けたい人が競技を続けられる環境が整えば、できるところまで見てみたいという気持ちはどの人に対してもあります。

これからもAlexさんのブログ更新を楽しみにしています。
Posted by 長野のK嬢 at 2010年02月03日 01:45
長野のK嬢さん
こんばんは!
特に女性の競技寿命が伸びていますよね?これまでは社会的な要因、結婚&出産などで競技を退くことが一般的でしたが、復帰してこられるかたも多いので、往年の名選手が再び見られたりするのはファンとしてうれしかったりします。さすがにナブラチロワ選手は第一線からは引退しちゃいましたけど。科学的なトレーニングが普及したことも要因かもしれません。
チュソビチナ選手、しっかりはニュースを追いかけていなかったのと、北京五輪はほとんど見ていないのですが、調べてみると「銀メダル」とってますね。当時で33歳だったそうです。
昨年の世界選手権も出場予定だったのが腕を痛めて欠場されたそうです。すでにアキレス腱、腰なども手術して満身創痍のようですが、それでも戦うお母さんとしてがんばっているんですね。お子様が急性リンパ性白血病ということで、日本のような公的保険にも加入できなかったこともあって治療費が何千万円単位でかかったのだとか…。夜中にいろいろ記事を探して考えさせられました。
今、友達が同じく骨髄移植を受けることを前提で抗がん剤の治療を受けていて、少し遠方なのですが月に1-2回見舞いに行くようにしています。そんなこともあって骨髄移植について調べたり、経験者の方のブログを読んだりして、何が自分にできるのかを模索していたこともあって…骨髄移植は手術までの治療も大変だし、移植した後も何年という単位で経過を見なければならず、もちろん常に死の恐怖と背中合わせということを知ったところでしたので、チュソビチナさんの家の苦労も以前よりも少しは理解できるようになったかも。
まずはずるずるの鼻水状態を治さないと、見舞いに行って病気をうつすわけにはいきませんから!
Posted by Alex at 2010年02月03日 03:06
長野のK嬢さん
おはようございます。
昨夜は、コメントの前半をちゃんと読んでなかったので、村主選手の情報を読み落としてました。情報ありがとうございます。
村主選手はモロゾフの元へ戻って競技を続けるのですね・・・ソチはまだまだ先だけど、まずは来シーズン村主選手が試合で見られるかもと思うとうれしいです。
そのスレッドにおもしろいことが書いてあったんですが、安藤選手(たぶん織田選手も一緒かな?)とモロゾフは現在ハッケンサックではなくてシムズで練習してるんですね。ハッケンサックがNHLサイズなのに対してシムズが五輪サイズのリンクだからなのだそうですけど・・・はからずも荒川選手がトリノ五輪の前に練習していた演技の良いリンクで安藤選手(とたぶん織田選手)は練習してるんですね、荒川選手ファンとしてもなんだかうれしい。ちゃんとリンクサイズのことまで考えてるなんて(当たり前なのかもしれないけど)モロゾフ細かいところに神経が行き届いていますね。高橋大輔選手は2週間バンクーバーで練習するようですが、有名なエイトリンクでしたっけ?あそこってNHLサイズじゃなかったかな?ちょっとだけ心配。すぐに本番会場で公式練習できるようになるわけですけど。
Posted by Alex at 2010年02月03日 07:23
お友達の一日も早い健康回復を祈ります。Alexさんもお大事に。

少なくとも安藤さん、織田君、リード姉弟は現在シムズベリーでモロゾフ氏と練習中です。1月29日には多くのメディアに安藤さんの練習の模様が公開され、各種のインタビュー等にも応じ、テレビでも(先ほど放送の報道ステーションでも)それらの様子が伝えられました。

リード姉弟のブログにも詳しい日々の動向が記されています。

http://blog.kinoshita-group.co.jp/cathy-and-chris/

自分のブログでその関連のことや、2月2日に発売されたモロゾフ氏の著書のことなど書きましたので、もしお時間がありましたら見ていただけると幸いです。

村主さんはTBSテレビのバンクーバー五輪放送チーム(東京スタジオゲスト)に参加するそうです。トリノ五輪の際、NHKの放送に恩田さんがゲストで登場し鋭いコメントをしていたのも思い出します。

http://career.oricon.co.jp/news/73046/full/

http://mainichi.jp/enta/mantan/entama/graph/20100203_2/

スレッドから逸脱した話題になってしまい失礼致しました。
Posted by 長野のK嬢 at 2010年02月04日 00:33
長野のK嬢さん
こんばんは!
ありがとうございます。
やはりモロゾフチームはシムズベリーでトレーニング中ですか、先ほど報道ステーションの中で安藤選手の特集があり、シムズベリーの映像がでたのでとても懐かしかったです。
村主さん長野五輪のときは代表落ちしても現地観戦をされてたんでしたっけ…今回はお仕事ですか、いろいろと前向きに再スタートをきられているんですね。安心しました。
ブログのほう、読ませていただきたいと思います。モロゾフが本まで出していたとは、ほんとうにしたたかにたくましく生きてる人だと思います。
Posted by Alex at 2010年02月04日 00:56
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/139085216

この記事へのトラックバック