2010年01月20日

全米選手権 男子シングルフリー テレビ観戦感想など

滑走順/結果[icenetwork.com]
ジェレミー・アボット選手が2連覇
 SPを首位で折り返したジェレミー・アボット選手がフリーも4回転を成功させるなど素晴らしい演技で1位となり全米選手権2連覇を飾りました。2位にはエヴァン・ライサチェック選手、3位にジョニー・ウィアー選手が続き、上位3人がオリンピック代表に選ばれました。SPに続いて4回転ジャンプをしかも2回決めたライアン・ブラッドリー選手はフリーは2位と健闘しましたが4位まで順位を1つ上げるにとどまりました。

男子シングル最終結果
1 Jeremy Abbott SP87.85(1位) フリー175.81(1位) 総合263.66
2 Evan Lysacek SP83.69(2位) フリー154.94(3位) 総合238.63
3 Johnny Weir SP83.51(3位) フリー148.58(5位) 総合232.09
4 Ryan Bradley SP70.63(5位) フリー155.34(2位) 総合225.97
5 Adam Rippon SP72.91(4位) フリー152.16(4位) 総合225.07
6 Brandon Mroz SP64.45(10位) フリー136.82(6位) 総合201.27

男子シングル フリー 結果
1 Jeremy Abbott 175.81 89.75 86.06
2 Ryan Bradley 155.34 81.20 74.14
3 Evan Lysacek 154.94 74.28 81.66 -1.00
4 Adam Rippon 152.16 79.38 72.78
5 Johnny Weir 148.58 71.24 77.34
6 Brandon Mroz 136.82 73.40 63.42



男子シングル
 月曜日早朝のテレビ観戦、全米選手権、オリンピック代表選考といろいろプレッシャーのかかる場面にもがんばらず、それぞれのスケーターがそれぞれのベストを尽くす演技を披露してくれて、台興奮、そのの余韻にひたっていたら、すでにヨーロッパ選手権もはじまっているんですね。大慌てで感想を…。

ライアン・ブラッドリー選手
 最終組の良い流れを作ったのがこの選手でしたね。神童モーツアルトをイメージしてバロック音楽を組み合わせた構成のプログラム、彼にはこんなこともできるんだと目から鱗の今シーズンでしたが、最初に2回クワドを成功させると素晴らしい流れでこの日は滑りきりました。ベテランとは言え、20代のチャーミングな青年の魅力をうまく引き出した演技ですね。欲を言えばトリプルアクセルが入ればということになりますが、SPですっぽ抜けたトリプルルッツは2回しっかり入りましたし、スタオベを受けながら端正な顔を崩した表情にやりとげた満足感が伝わってきましたね。どんな状況に置かれてもあきらめずにがんばる清々しさに感動を覚えました。彼の頭の中には「引退」の2文字がちらついているかもしれませんが、いつまでも活躍を見たいスケーターのひとりですね。

アダム・リッポン選手
 オリンピック代表入りが期待されたアメリカの若手1番手だとは思いますが、彼もSPの失敗で厳しい状況からのフリー。課題のトリプルアクセル以外は、得意のトリプルルッツでは片手を上げるバージョンと両手を上げるバージョンの両方を披露するなど成功させ、コンビネーションジャンプも制限いっぱいまで使いきり、得意のスピンでは加点をいっぱいもらって得点を伸ばしました。2回挑んだ課題のトリプルアクセルもなんとか大きな転倒にならずにまとめたという点ではこの演技がリッポン選手の今のベストではないでしょうか。デヴィッド・ウィルソンの振付によるプログラムは彼のイメージによくあっていいて、トータルパッケージとしていい方向でトレーニングされていっているんだなということが伝わってきましたので今後が楽しみです。あとはひと伸びのスケートは伸びるのですが、フォアクロス、バッククロスがまだまだ若いというか漕いでる感じなのとどこかひっかかったような音がでてるので、そのあたりが洗練されてくると上位の3人並にPCSが出てくるのではないでしょうか?

アルミン・マーバヌーザデー選手
 今シーズンはシニアのグランプリシリーズに2試合出場しましたが、シニアデビューをあまりいい印象で飾れていませんでしたが、さすがアメリカの選手はこの全倍選手権に向けてきっちり調整してきますね。アメリカの選手らしくリッポン選手同様にスケートが良く伸びますし、スケーティングはむしろリッポン選手より大きなスケールで滑っているように見えますね。柔軟性もあってスピンでいろいろなポジションも見せてくれましたし、ジャンプもトリプルアクセルまでの習得ができている、あとはこの全米のような試合運びを今後のシニアの国際大会で安定してできるかどうか、次に見るのが楽しみなスケーターです。

エヴァン・ライサチェック選手
 全米選手権のタイトルは失っているものの世界チャンピオンとおいうことで「勝ってあたりまえ」の期待を背負って試合にでてくるプレシャーは相当なのではなかったかと思います。SP、フリー両方でミスがでてしまいましたが、それでもプログラムを破綻なく滑りきり、表彰台にはしっかり立つのはさすがだなと思いました。この人の場合、むしろオリンピックのほうが楽な気持ちでチャレンジャーとして戦えるかもしれませんね。フリーではここまで封印してた4回転に久々にチャレンジ、以前は挑戦すれば回転は微妙でもなんとか立っていた記憶があるのですが、残念ながら転倒。もちろん成功にこしたことはないですが、4回転を入れても最後までスタミナが持ったことは自信につながったはずです。オリンピックで4回転を入れる入れないを決断するときに前向きな気持ちでの決断につながりそう。プログラムはさらに派手に観客へアピールできるような内容に変更されていましたが、衣装は黒でないと言うところ以外におもしろみがないというか、せっかくのオリンピックなので安藤選手のクレオパトラ並に青×金ぐらいのキラキラコスチュームでもよいのでは。シェヘラザードという選曲も女子では勝ちプロで選ばれる選曲かもしれませんが、男子では弱いし、やはりライサチェック選手の魅力を引き出すようには思えないので…せめて衣装で!とオリンピックではさらなる心境の変化に期待です。

ジョニー・ウィアー選手
 今シーズンの強さ安定感がゆるぎない自信となって結果をだしたのがこの全米選手権だったのではないでしょうか?昨シーズンは世界選手権代表落ち、アメリカ国内の若手の成長もあり、ウィアー選手を応援していたファンの方はものすごい危機感を感じての応援になっていたのではないかと思いますが、個人的には見ていてはらはらさせられないというか、安心感がありました。トリプルアクセルがひとつ抜けたものの慌てることなく落ち着いて滑りきり、点数が出る前にこれで代表は確実だなと思いました。以前のように感情のふれがスケートに出ることがなくなったことに寂しさを覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、ここまで抑えてきたものをオリンピックでは爆発させるのではないかと期待しています。オリンピックを競技人生の集大成と考えていると思いますし、なんとなくその後の世界選手権は出てこないのではと予感させますので、オリンピックの演技をしっかり目に焼き付けてたいと今から気持ちが高ぶります。

ジェレミー・アボット選手
 NHK杯を終ったときには「アボット選手大丈夫?」なんて思いましたが、その後のスケートカナダ、グランプリファイナル、そしてこの全米選手権と調子がどんどん上がってきましたね。これでも本人曰く、照準は五輪ということなので、それが本当なら本番どんな演技が見られるのでしょうか?個人的に高橋選手の「道」も好きなプログラムではありますが完成版を見せてもらったという意味で今のところ今シーズン一番好きな男子のフリーはアボット選手になりますでしょうか。
 安定したスケーティングからジャンプを次々と成功させてスピン、ステップでも得点が稼げる…プルシェンコ選手やランビエール選手、ジュベール選手と言った飛び道具があるけど安定感や新採点システムでの取りこぼしに不安がといったスケーターより、地元カナダの期待を背負うパトリック・チャン選手にとって嫌な存在になりそう。しかも4回転を入れてこられてしまうとなおさらですね。
 日本の3選手にとってもオリンピックでメダルが取れるかどうかは、その日のできしだいで大爆発or大自爆なヨーロッパ男子選手は考えてもしかたないので、手堅い北米勢に対していかに勝つかというところにかかってきそうな予感がします。オリンピックの表彰台はヨーロッパ勢から2名、北米・日本から1名と大胆予想したいと思います。

五輪もうひとつの戦い!“佐藤コーチ親子対決”(フィギュアスケート) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
@niftySports@niftyフィギュアスケート特集全米選手権開幕――ジョニー・ウィアーのTVシリーズ放送開始(1)

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この記事へのコメント
こんにちは!
いつも楽しく読ませて頂いてます。

管理人さんとは好みが合うかも知れません。自分も今季のプログラムで一番好きなのは、高橋選手のフリーでしたがその次がアボット選手のプログラムです笑

アボット選手は去年まではあまり興味がなかったのですが、佐藤有香コーチについてからもの凄く洗練されて、気が付いたら大好きな選手になっていました。人間って不思議ですね〜。 今回のフリーはこれこそ自分が見たかった演技!といった感じです笑 ただ冷静になって高橋選手のフリーを見てみると…やはり彼は素晴らしいですね。あのスケーティング技術と演技力や感性が一体となって…やはり彼の金メダルを期待してしまいます。
もちろん多くのトップ選手がオリンピックでは満足の行く演技をしてほしいです!
そしてコーエン選手!YouTubeに練習の様子が上がっていましたが、これは期待してもいいのではないでしょうか…。
Posted by アイダホ at 2010年01月21日 17:46
アイダホさん
こんばんは!
アボット選手と高橋選手、持ち味がまったく違う選手のプログラムを並べて1番2番と書くと、センスに統一性がないとか言われそうですけど、いろいろなスケーターがそれぞれの個性を発揮して競うのがフィギュアスケートだと思いますので、プルシェンコ選手やランビエール選手の復帰を含めて、男子フィギュアスケートはおもしろいなぁと、どきどきわくわくはらはらさせられながら楽しんでいます。
アボット選手はフリーの選曲の渋さもあいますねぇー。これまであまり他のスケーターが使ったことのないナンバーを使うって勇気がいると思うのですが、それをさらっと見せてくれるのがいいなと。
すっかりユーロモードになっていましたが、全米選手権女子は今週末だったんですね。
Posted by Alex at 2010年01月21日 20:40
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