「THIS IS IT」看板に偽りなし
いろいろと複雑な思いがあって、見るべきかどうか映画館へ足を運ぶまで悩んだのですが、見て良かった。最近よく利用する郊外型のシネコンでいましたが、洋画で一番大きなシアターが割り当てられているのに当たったのは初めて。ワイドショーなどでも話題になっていますし、期間限定公開ということで、劇場側の動員への期待が覗われました。シネコンで小さなスクリーンがあてがわれてるとどうしても「はずれ」を引いた気持になってしまうのですが、大きなスクリーンで見られて大満足。あえて誰も人がいなさそうな前のブロックの最後列の中央という席を選んだので、私の前には誰もいないという超特等席状態でした。だからと言ってお客さんが入っていなかったわけでなく、上演終了後、後ろを振り返って見ると、満席には程遠い物の、平日の早めの夕方ということを考えると、昨今の洋画ではけっこう人が入ってるほうだと思いました。一番驚いたのがマイケル・ジャクソン関連のグッズ売り場に人だかりができて、ポスターやTシャツなどがしっかり売れていたこと。映像には人々をそう駆り立てるに十分な力があったことは確かです。
私はというと音が良かったもので、最初思わず音に身を任せて目を閉じてしまったうというもったいないことをしてしまったのですが、中盤から映像や大きな仕掛けを駆使したステージにリハーサルとは言え目が釘付けに。そして「帰ってほしいの/I Want You Back」「小さな経験/The Love You Save」「I'll Be There」の3連発あたりから目から滝のように水が噴き出してきて、ラスト近くの「Man In The Mirror」からエンドロールまで涙が止まらなくなってしまいました。泉のように才能が湧きだしてきてるような人がこんなにあっさり世を去ってしまうなんて、この映画を見て、マイケル・ジャクソンが亡くなったことが逆に信じられなくなってしまいました。
ドキュメンタリー映画というと映像が細切れにつぎはぎされてとりとめのないものになっているのではと心配しましたが、1曲1曲を大事に紹介してくれていたのが一番うれしかったです。逆にワイドショーで見ていて映画見に来た人には厳しい構成だったかな?直前になってお父さんやラトーヤが映画のマイケルはそっくりさんだとかなんとかネガキャンをやっていたこともあって、最初はいろいろ疑いの目でスクリーンを見てしまったし、実際ボディダブルを使って撮影されたシーンも挿入されていたのかもしれなけど、歌ってるマイケルやプロデューサーとやり取りをするマイケルは間違いなくマイケル。リハーサルがはじまった頃は声もウォームアップ中は抑え気味に流すような歌い方の時の映像もあえてフィーチャーしていたりしますが、ダンスはいつも完璧。命を落とすほどの痛み止めを常用していた人には見えない。そして、だんだん調子がでてくると、お馴染みの大ヒットナンバーをエンディングではアドリブでゴスペルタッチにアレンジし、「まるで教会にいるようだ」とプロデューサーに言わしめるほどの渾身の歌声も聞かせてくれました。
これから観る人はこの先は読まないほうが
サントラ盤の「THIS IS IT」が試聴してみるとレコーディングバージョンでしたが、映画のほうはコンサート用のバンド演奏によるバージョンでこれがスタジオレコーディングに負けないほどのグルーブ感とパワーがあって、コーラスのみなさんも凄かった。できればこちらの音源もCD化してもらいたいところ。
オープニングはやっぱり「スタート・サムシング/Wanna Be Startin' Somethin' 」なのがうれしかった!そして「Human Nature」がこれまた良かった。思わず口ずさみたくなりそうになるのを抑えて目を閉じ体を歌声にあわせて左右にゆらしながら楽しみました。映画館でるときずっと歌ってたほどあらためて好きになりました。ダンスと映像の仕掛けに圧倒されたのが「Smooth Ciminal」、そしてまるで2009年バージョンのプロモーションビデオを撮り直したかと思うほど凝りに凝った映像とステージ上の仕掛けを駆使した「Thriller」がスペクタクルとう点ではハイライト。
「I Jsut Can't Stop Loving You」ではマイケルの追悼式で無名ながら「Heal The World」でソロをとり大注目されたバックコーラスのジュディス・ヒル(Judith Hill)がデュエットパートナーを務めていました。正直、彼女、あまりにもコーラス向きで追悼式でもソロで声を前へ前へと出してくるような魅力を出せていませんでしたが、コーラスの中では光りまくってました。「Man In The Mirror」の時など鳥肌が。彼女のオフィシャルサイト[こちら]によるとアルバムのリリースがもう間もなくのようです。
同じくバラードでは「I'll Be There」が…思い出しただけでも泣きそうなぐらい良かった。特にエンディング。
そして「Earth Song」では地球環境を守ろうというメッセージを込めたこれまた素晴らしい映像を見せてくれて、正直、マイケルって大量消費社会の頂点に立った人なわけなので偽善なんて言葉が思い浮かびそうになりますが…そんなの関係ない!多くの人にわかりやすいメッセージを「今」訴えることの大切さをひしひしと感じました。
公衆の面前であることを忘れて嗚咽を漏らしそうになったエンドロールも最後までしっかり見てくださいね!
追記 私の大好きなダイアナ・ロスは70年のテレビスペシャル「Diana!」の中でジャクソン5とならんで踊っているところが数秒だけでてきます・・・気付かない人も多そう。
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感想を書かれているブログ
70s-80s TOP40 and SOUL MUSIC LOVERS This Is It MICHAEL JACKSON
This is it - aoninesuki日記
「This is it」 HSKI's
”いらんーいらんかふぇ”の肩こり マイコー、さいこー!
THIS IS IT (ネタバレ注意!!) - カタイケノ? - Yahoo!ブログ
みかん日和 THIS IS IT
MSV-Blog シネマレビュー 「THIS IS IT」*セットリストあり
映画 「THIS IS IT」 伝説の王マイケル・ジャクソン - MOONWALKER’S HIGH 冒険者の店「じゅらい亭」店主的日記
マイケルありがとう♥I LOVE YOU - いつも笑顔でichan日記 - Yahoo!ブログ
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こんにちは!
何回も見に行きたくなる気持ちわかります!!
大きなスクリーンでパワフルなマイケルを見てほしいなと思います。
私も時間を見つけて見てこよう。
私も観に行きます。ブカレストのコンサートが
あまりに素晴らしくそれ以降のマイケルを
見るのがこわかったんです。
Alexさんの感想を読んでいるだけで
涙が出そうになってしまいました。
世界中で「魂の半分を失った」と思わせる
ような人はもうずっと現れないような気がします。
こんばんは!
教えてくださってありがとうございます。
ヒロリンのHPに情報がでてたんですね。チャコちゃんグッドジョブです。話題になりやすい若いタレントさんが見に行ってるのがニュースに出てましたが、ヒロリンは見られたのかな?と気になっておりました。
Petit chatさん
こんばんは!
自分も見るまではいろいろ複雑な気持ちでしたが、映像を見て、少なくてもステージに直接かかわってる人たちは、マイケルを含めて、前代未聞のすごいステージを作るぞ!と意気込んでいたことが伝わってきました。決して、「お金がらみ」というだけで体調の悪いマイケルに鞭打ったわけではなく、マイケルもアーティストとしてこのステージを本気でやりたかったというのが伝わってきました。涙なしでは見られないのだけど、絶対にマイケルを好きだった人たちには見て欲しいなと思います。
もう涙がつんつんしてきて仕方なかったけど・・
マイケルはなんて静かで美しいのだろう。
もうこの世にいないと思うと悲しくてたまらないけど
この映画を観てマイケルが孤独と失意の内に亡くなったのではないとわかって
少し安心しました。マイケルのメッセージを忘れません。
そして最終日また観に行きます。
こんばんは!
ごらんになられましたか!!
そうなんですよ、マイケルは孤独でも失意でもなく、明日への希望に包まれながら天国へ召されたというのが、この映画で伝わってきて本当に救われた気持ちになりました。
上映延長決定ということで、多くの方に感動が広がっているんだなと・・・
マイケルの大ファンというわけではないのですが、私も今日観てきました。平日の昼間なのに、かなりお客さんが入っていて、年齢層もかなり若い人から年金受給者まで、といった感じでしょうか。
Alexさんの記事を読んで、「号泣するなんてAlexさんたら涙もろいんだから」と思っていたのですが・・・スクリーンにマイケルが登場した瞬間、頬をツツーっと流れるものが・・・(-_-、)特に「I'll be there」とエンディングでは私も滝のような涙、涙でした。
一時は、もう歌えないんじゃないかとかダンスにキレがないとかイロイロ言われてましたが、とんでもない!想像以上の完成度でした。そしてAlexさんの仰るとおり、マイケルをはじめ、スタッフの全員が本気でとんでもないステージを作ろうとしていたこと、マイケルのそばには愛が溢れていたことが伝わってきましたね。
亡くなってからもまわりが騒がしいマイケルですが、どうか安らかに眠ってくださいと祈るばかりです。
こんばんは!
私は映画を見る前はかなり斜め向きに構えて見始めたんですよ・・・でももう1曲目はじまった瞬間にどーんってもってかれちゃいました。先週末の動員は日本でも「沈まぬ太陽」を抑えて1位だったそうですし、最初は「話題性」だけだと思われていましたが、口コミで「見たほうがいい」ってかんじで動員が伸びてるみたいですね。
多くの人がひとつのものを作り上げようとするエネルギーの大きさ素晴らしさ、美しさが伝わってきましたね。いつか自分もどんな仕事でもいいから何か大きな作品を仕上げるようなことにかかわりたいな…なんてこの年になって新たな夢をもらったようなそんな気持ちです。