2008年11月05日

マッサ、あと一歩及ばずも「誇りに思う」

マッサ、あと一歩及ばずも「誇りに思う」(レスポンス)
完璧な判断と熱意に満ちた走行で集まった10万人以上のファンを魅了
最終ラップでドラマ
 日曜日深夜というか月曜日早朝だったわけですが、2008年F1グランプリ最終戦ブラジルGPの決勝。とんでもなく劇的な幕切れが待ってましたね。フェリペ・マッサとルイス・ハミルトンのチャンピオン争いが最終戦までもつれ込んだという状況にもかかわらず、ハミルトンが5位以上でチャンピオンが確定するという圧倒的優位があったことと、レース直前に雨が降りスタートが10分遅れるといった混乱があったわりには終盤まで大きな波乱も無く、マッサの逆転チャンピオンを信じて手に汗握りながら応援しつつも、やっぱりハミルンかとやや冷めかけていたときに、大きなドラマが待っていました。
 マッサファミリーと同じように歓喜の涙と失望をほんの数十秒の間に味わってしまい、レースをすぐには振り返ることもできませんでしたが…とにかく優勝するしかないマッサはポールポジションからスタートしたレース序盤から常にトップをキープしていたマッサに対して、ハミルトンも慎重な走りで安全圏の4位を維持、レースが大きく動いたのは残り10周を切ってからぽつりぽつりと振り出した雨がすべてのはじまりでした。下位チームは早い段階でレインタイヤへ交換するギャンブルを準備しだしまし、まずはウィリアムズの中島が残り7週でまず最初にピットに入りタイヤ交換、そしてフィジケラ、ハイドフェルド、バトン、ロズベルグと続々タイヤ交換、またコース上では4位のハミルトンに5位のヴェッテルが襲い掛かりバトルがはじまります。雨が激しくなりライコネン、ハミルトン、ヴェッテルもタイヤ交換を余儀なくされ、「マッサは?マッサは?」とテレビの前でパニックに、しかし1周遅れてトップを走るマッサ、2位のアロンソもピットに入りタイヤ交換。この時点で上位に大きな順位変動はないと思われていましたが…大きなギャンブルをしていたチームがありました。なんとTOYOTAがタイヤを交換せずにステイアウトしたためグロックが4位に入りハミルトンは5位に後退、ヴェッテルに抜かれて6位になれば…マッサの逆転という状況でラスト3周、引き続きヴェッテルが厳しくハミルトンを攻め立てます。ここに絡んできたのが周回遅れのクビサ。この時点ではドライタイヤのほうが早かったために、周回遅れであったはずのクビサのほうが早く、ハミルトンがクビサをパスするのに苦労する間になんとヴェッテルの抜いてしまいます。なんと残り2周でマッサ1位、ハミルトン6位、インテルラゴスサーキットを満員にしたブラジルの観客が騒然となります。そして…マッサがチェッカーを受け、この時点でマッサのチャンピオンを確信し、テレビの前で震えながら涙がこぼれそうになったそのとき…最終周最終コーナーにさらなるドラマが待っていました。路面がしっかりぬれてきたため、ドライタイヤ組が失速、ハミルトンはグロックをとらえて再び5位に。マッサの逆転優勝はなくなりました。しかしフェラーリピットはハミルトンがグロックを抜いたことに気づかずマッサファミリーが抱き合って喜んでるすがたが無情にも画面に映し出されますが、最新情報が入ってマッサパパを中心に呆然となってしまいます。テレビの前で私も呆然としてしまいました。


男を上げたマッサの来シーズンに期待
 チームラジオでハミルトンがチャンピオンを獲得したことを告げられたマッサはこのレースを優勝できたことに「ありがとう」とエンジニアをねぎらいながらも、さすがに涙声。しかし、ここからのマッサが偉かった。マシンを止めて一度涙をぬぐうと、ここからは目を腫らしながらも泣くことはありませんでした。2年前のチャンピオンのアロンソ、去年のチャンピオンのライコネンが浮かない表情を見せる中、気持ちをぐっとこらえ応援に駆けつけたブラジルの大声援にこたえます。ここがかっこよかった。マッサをずっと応援していましたが、こんなかっこいい男だっけ?と見直しました。
 しかしここで映像はこの素晴らしい最終戦に水を差すようなホンダの白煙…こんな空気読めない環境に優しくない車は2度と走らせないでください!ハートが粉々になった後だけにまじでむかつきました。
 40秒間だけチャンピオンを手中にしたかに思えたマッサ、大きなショックがあったと思いますが、記者会見では冷静にファンやチームにお礼を述べ、できることはやりつくしたと胸をはって、腕時計をチラ見せします。「勉強になった」と一旦話を閉めます。アロンソ、ライコネンと会見が続きますが、ここまで誰もチャンピオンになったハミルトンへのお祝いを述べないという異例の会見になるかと思われましたが…再びマッサの番となったとき、記者に聞かれたわけではなく、自然にマッサの口から「ルイス、おめでとう!」の言葉がでてきました。さらに「いい勉強になった」と続けたとき、ここまで我慢してた涙が止まらなくなったのはテレビの中のマッサではなく、テレビの前の私でした。
 今シーズン最多の6勝を飾りながらも1ポイント差でチャンピオンシップを逃し「勝ち方も負け方も知った」と語ったマッサの来シーズン、今シーズンいろいろあったフェラーリチームを最後はひとつにまとめましたし(これが来シーズン最初にはすっかり忘れてそうなのがイタリア人チームですが…苦笑)、今シーズンのようなぽかが減って勝つためのチームとともに勝ちに行くドライバーに変貌するのではないかと期待しています。ここまでチャンピオンの度量じゃないと批判されることが少なくなかったマッサですが、最終戦であらためて証明したコース上で見せた確かな速さ、そして、レース終了後に見せた人間性、ファンが倍増するんじゃないかな?フジテレビ解説陣はシーズン当初「マッサ(笑)」状態だったのが、すっかり宗旨替えしてマッサの戦いぶりを賞賛しているのが痛快でした。
 「素晴らしい負け方」というコメントが記者からありましたが、スポーツには「素晴らしい負け方」があるんだなと改めて気づかされる素晴らしいレース。正直、フェラーリ2台がハミルトンを予選で上回ったいましたので、ライコネンの使い方によっては、チャンピオンシップを獲るための策はいろいろ残されていたと思います。しかし、意図したいしないにかかわらず、フェアなレースで勝負が決したことは、ディスカスティングな戦い方を続けてきたハミルトンが心を入れ替えスポーツマンシップに目覚めるきっかけになるのではないでしょうか?シリーズ前半ではハミルトンを批判すると人種差別に結び付けらると及び腰だったマスコミやファンが、ハミルトン批判を口にすることを躊躇しなくなったことに対して、あくまでも「勝てばいいんだ」と意に介さなかったハミルトンがチャンピオンの自覚に目覚め、F1を引っ張る真のスターになって来季はコースに帰ってきますように。

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posted by Alex at 09:31| 大阪 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | スポーツ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
フィギュアスケート、F1観戦が大好きで、いつもAlexさんの的確で分かりやすく面白いお話を楽しく読ませていただいてます。

今更のコメント失礼します。
本当はもっと早くコメントしたかったのですが、大輔ショックからなかなか立ち直れず今頃になってしまいました。(今は少し前向きに考える余裕がでてきました。休暇と思ってゆっくり休んでほしいです。)

私は佐藤琢磨(トロロッソ、お願いします!)とライコネン(速いんだけど勝てなかったり、中盤を走っているのに密かにファステスト出したりしている、ムラのあるこれぞ天才!という走りが好きです、笑)のファンなのですが、こちらでAlexさんのマッサに対する愛のあふれるコメントを読んでいるうちに情が移ってしまったのか、いつの間にかマッサを応援している自分がいました(笑)。今では主人もまきこんで「マッサはどんなレースをするか。」が焦点の一つになってます(笑)。

今回のレースのラスト数週は神様のいたずらとしか思えない展開でした。今思い出しても何があったのか不思議な感じがします。我が家でもタイヤ交換が始まると「マッサは?マッサは?」と大慌てでした(笑)。マッサファンだけでなく純粋にレースを楽しんでいたファンもレース後脱力してしまった方は多かったのではないでしょうか。
雨ってドラマを作りますね。私にとっては作って欲しくない展開の方が多かったりするんですが(笑)。

幻のチャンピオンとなってしまいましたが、レース後のマッサの態度にはちょっとジーンとしました。「二人ともチャンピオンの器じゃない」などと言われたりもしてましたが(私もちょっと思ってました、笑)、マッサの態度は、チャンピオンになれなかったのが残念、と思わせる立派なものだったと思います。Alexさんには残念な結果となりましたが、私も来年は取りこぼしの少ない勝ちに行くレースができるドライバーになるのではと思います。F1ファンとしては、今年のようなレースをするマッサも面白くて好きなんですけどね(笑)。

しばらくF1ネタはお休みになるのがさみしいですが、スケートシーズン本番ということで、そちらが忙しくなりますね。これからもお邪魔するのを楽しみにさせていただきます。
Posted by みっちい at 2008年11月10日 16:59
みっちいさん
こんばんは!
今シーズン、日本でもマッサファンが増えたかと思うとうれしいようなさびしいような。
私はもともとシューマッハファンだったので、シューマッハ引退後、心情的にアロンソやライコネンを応援できなくて(今は前よりこのふたりは好きですよ!!)、マッサを応援するようになったのですが、いつのまにか愛してる度ではシューマッハを超えていました。冷静さを要求されるドライバーにはありえない人間臭さ、どのドライバーからも愛されてる(馬鹿にされてる?)キャラクターのよさなど…画面を細かく見れば見るほど夢中になってしまいます。そしていつのまにかキャラクターのおもしろさだけでなく実力もメキメキとつけて、最終レースではそれまでマッサ嫌いだった川井ちゃんまで魅了してしまうとは!すごかったです。
来シーズンは大きくレギュレーションが変わるので、チーム力に関する下克上があるかもしれませんが(HONDAが妙に自信を持ってるのがなんだかなぁ)、マッサはきっといいレースをしてくれるはずです!来年はチャンピオンシップがつまらなくなるぐらい独走してくれてもファン的にはOKなんですが。
佐藤琢磨は持参金10億用意するように要求されているようですがそれだけの個人スポンサーを集められるでしょうか?来シーズンはグリッド上に彼の姿が並んでるといいな。
Posted by Alex at 2008年11月10日 21:24
お久し振りです。
雪花です。
覚えてくれてますでしょうか?
数少ないマッサファンの一人です。

さて。少し遅いかもしれませんが、最終戦…。
私もベッテルがハミを抜いた瞬間に思わず悲鳴を上げてしまいました。
そしてそこで歓喜余って早速泣きました。
しかし真のレース結果を見て、更に号泣でした。
今年はチームミス含め、ひどいレースが何度かありましたが、開幕戦のスタートでの失敗以外泣いてはいませんでした。
今シーズン2度目の涙が最終戦とは…。
久し振りに声を上げて号泣したましたね。プライベートでもあんなに泣いたこと最近はなかったからなぁ…。
泣いて、泣いて、泣き過ぎる程泣きましたが、マッサではなく、ハミルトンがチャンピオンというのが現実なのですね。
今は来年に希望を持つしかありません。
Posted by 雪花 at 2008年11月12日 23:33
雪花さん
こんばんは!
もちろん覚えていますよ。
私より過激なマッサファンがいるんだ!とブログの更新も楽しく拝見しております。
泣いちゃいましたか…もちろん泣いちゃいますますよね。まさか応援している選手にこんなにドラマティックなシーズンの幕切れが訪れる何て。
本当にいろいろトラブルがあったシーズンで後悔してもしたりないことがいっぱいあったシーズン。最終戦だって、もっとライコネンを下げて徹底的にハミルトンをマークしてもっと多くの後続がからんでくるのを誘うことだってできたはず…でも今は、最終戦がとてもフェアなレースだったことを、そしてそのレースを全力で戦い抜いたマッサを誇りに思います!来季はきっときっときっときっと!!!!
Posted by Alex at 2008年11月12日 23:43
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