2005年12月15日

トリノオリンピック 金メダル最有力 イリーナ・スルツカヤ選手

グランプリファイナル明日開幕
 グランプリファイナルも目前ですね。荒川静香選手や村主章枝選手が出場できないのは残念ですが、浅田真央選手や中野ゆかり選手、安藤美姫選手のすべりでまた日本中が湧くといいな。もちろん高橋大輔選手、織田信成選手にも期待しています。
女子シングル金メダル最有力候補
 さて日本女子スケーターの前に立ちはだかるのが、トリノオリンピックの金メダル最有力候補の呼び声高いロシアのイリーナ・スルツカヤ選手。1979年生まれの26歳ですから、フィギュアスケートの世界ではベテランになります。しかし、村主章枝選手、ミッシェル・クワン選手、エレーナ・ソコロワ選手が1980年生まれ、荒川静香選手も1981年生まれ、先日のNHK杯で3位になったウクライナのエレーナ・リアシェンコ選手に至っては1976年生まれと、オリンピックでメダル争いをする選手にいつものオリンピック以上にベテラン選手が揃っているのがトリノオリンピックの特徴だったりします。
苦難を乗り越えて
国際大会にでてきた頃はロシアの伊藤みどりと呼ばれるほど、とにかくジャンプが得意で、小さな子が一生懸命ジャンプを跳んでいるなと思ったのが1994年のスケートアメリカでした。しかしあっという間に急成長、1996年の世界選手権にはやくも銀メダルを獲得して以来、昨シーズンの世界選手権を含めて2度の世界チャンピオンに輝いていますが、彼女の競技生活は決して順調ではありませんでした。期待された1998年は長野オリンピックでは5位と振るわず、世界選手権ではライバルのミッシェル・クワン選手に阻まれて、なかなか世界チャンピオンになれませんでした。2002年のソルトレークオリンピックでは、クワン選手には勝ったものの、新鋭のサラ・ヒューズ選手に敗れて銀メダルに終わり、リンクサイドで悔し涙を流し続ける姿がテレビを通じて全世界に報じられたのはまだ記憶に新しい。ようやく2002年の長野での世界選手権でチャンピオンになったのです。1999年に結婚したことが精神的に強くなったともいわれていて、いよいよスルツカヤの時代が到来かと思われた矢先に、母親が病に倒れ、翌年の世界選手権は欠場、復帰を目指した2003年には今度はスルツカヤ選手自身が心臓病に犯されてしまいます。しかし、彼女は薬物による治療を受けながら2004年の世界選手権で復帰、順位は振るわなかったものの、彼女の意志の強さ、スケートを愛する気持ちに、世界中のファンが声援を惜しみませんでした。そして、その不振を取り返すかのように昨シーズンは出場した公式戦すべてで優勝、2年ぶりに世界チャンピオンのタイトルを取り返したのです。
新採点システムでの強さの秘密
 氷の上では大きく見えるスルツカヤ選手ですが表彰台に立つと荒川選手や安藤選手に比べ小柄、160センチだと知って驚きました。それほど、彼女の演技はダイナミックで大きく見えるのです。荒川選手のような美しく滑らかなスケーティングとは異なりますが、スピードがとにかく早い。彼女はジャンプを跳ぶ前にもスピードを落としませんし、体力的に厳しい後半でも、全身を使って前へ前へと滑っていきます。特に時間の短いショートプログラムは、最初から最後まで一気に走りきるようなプログラムになっていて、この特徴がうまく生かされています。ジャンプも流れはむしろ日本の選手達のほうがいいと思えるのですが、高さがあり、空中できっちり回転をすませてランディングするので、回転不足で減点されたり、ダウングレードされたりする可能性がないのが新採点ではますます大きなアドバンテージになっています。さらに彼女の特徴でもあるビールマンスピン、これはスイスの元世界チャンピオン、デニス・ビールマンさんが発表した技で、足を背面に高くあげ、頭の上で手が足を支持するというアクロバティックなスピンですが、通常左回転の選手は右足を上げるビールマンスピンしかできないところ、彼女は通常のものと逆足でのビールマンスピンの両方を試合で実施し、スピンでも新採点で高得点が狙えるので、今シーズンの点数は他の選手の追随を許さない高得点を稼ぎ出しています。しいて言えば、今シーズンのフリープログラムはまだまだこれから修正して音楽を表現するようなステップワークや振り付けが必要だと思われますが、これも試合を重ねながら改善していく作戦のようです。
ぬいぐるみにかこまれてスマイル
 以前からスケートが好きでたまらないという気持ちが前面に出た演技をする選手でしたが、病気になって以降はスケートができることにより大きな喜びをかんじているようで、ますます、生き生きとした表情をみせる選手になりました。オリンピックでは女子シングルでミセスの金メダルが誕生する可能性が高いのではないか、そんな期待をさせる今シーズン絶好調のスルツカヤ選手に注目してグランプリファイナルご覧ください。ぬいぐるみ集めが趣味だということが知られていますので、演技終了後、ファンから花とともにぬいぐるみが投げ込まれることも多く、彼女はそのすべてを持ち帰り自宅でコレクションとしているようです。今週行なわれるグランプリファイナルでもぬいぐるみを抱えながらキスアンドクライで点数を待つスルツカヤ選手の笑顔が見られるのではないでしょうか。
関連リンク
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スルツカヤ“薬漬け”心臓に持病…トリノに大量持参
クレイジーポーカー「私は中野友加里を応援します」
新採点をおもしろい視点で書かれてるのでリンク&TBさせていただきました。
皆様もぜひ、チェックしてみてくださいね。

この記事へのコメント
記事内で紹介していただいた、「クレイジーポーカー」のfrugal gamblerです。当方の記事にもコメント、トラックバックをしていただき、ありがとうございました。スルツカヤの過去の苦労話、新採点システムとの絡み、とても参考になりました。

ちょっと視点を変えて、岩崎宏美の記事に当方の岩崎宏美の記事をトラックバックさせていただきました。私は、洋楽は、全く詳しくないので、日本の歌手ばかりですが、お時間のあるときにでも覗いてみてください。ではでは。
Posted by frugal gambler at 2005年12月16日 00:36
新採点システムでの強さの秘密・・・

昨日だったかな?報道ステーションで新採点システムの解説をしていました。よくわかりました。あのソルトレーク五輪がきっかけだったんですね。
Posted by senchan at 2005年12月16日 00:49
コメントありがとうございます。報道ステーションでの新採点での扱い方はなかなか評判よかったですね。昨夜は松岡修造が真央ツァーンなんて叫びながら彼女の練習を邪魔するような取材しててげんなりでしたが・・・報道ステーション・・・。
Posted by Alex at 2005年12月16日 06:20
トリノオリンピックでスルツカヤが得点を待つ間に羽織っていたジャージーのジャケットがめちゃくちゃかわいかったのですが、あれはどうやったら手に入るんですかねぇ〜
Posted by KU at 2006年03月12日 13:28
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