2008年09月19日

デヴィッド・ロバーツ「Better Late Than Never」を聞いて

本当のセカンドアルバム!
 先日、デヴィッド・ロバーツ26年ぶりのセカンドアルバムリリースのニュースを興奮のあまり音も聞かずに紹介したわけですが、その後、家に届いてから時間を見つけては聞いております。
 まずうれしかったのは「本当のセカンドアルバム」だったこと。ライナーノーツでも紹介されていますが再CD化されたファーストアルバム「All Dressed Up」のセールスが好調だったことを受けて当初は未発表デモ音源集のリリースをということで話がはじまったそうですが…私も最初ニュースを知ったとき、正式なスタジオレコーディングではなくてそういった手合いのものではないかと危惧していました。ただ、アマゾンの紹介で「グレッグ・マティソンプロデュース」という文字を見つけて、これは!と期待させられました。今回の一連の動きをオーガナイズされた金澤寿和さんがさらに詳しくライナーノーツに書かれてますが、デモ音源集の話からまずは5曲だけ新録という話に広がり、できのよさからさらに5曲のレコーディングが決まって結果的に「本当のセカンドアルバム」に仕上がったことを知りました。そしてもうひとつうれしかったのはちゃんとあの「All Dressed Up」のデヴィッド・ロバーツのセカンドアルバムという内容に仕上がっていたこと。もちろんあの時限定の豪華なバックメンバーを揃えることはとうてい無理なわけですが、デヴィッド自身、26年のブランクを感じさせないフレッシュな歌声を維持していますし、彼自身のペンによる楽曲のクオリティの高さも期待を裏切りません。なにより聞いてて心地いいのはボーカルとバックの演奏のバランスが今どきのミキシングではなくて、あの頃のAORを髣髴させる、楽器のひとつひとつと声とが対等なバランスの中で構成されていること、これはエンジニアがデヴィッド・ロバーツのファンが何を求めてこのCDを買うかをちゃんと把握しているからでしょう。最近の音楽っていいなーと思ってもあまりにもべったり音の壁が作られた上に不自然にボーカルが浮き上がって聞こえるので、繰り返し聞いてると疲れてしまうのですが、「Better Late Than Never」ではそんなストレスをまったく感じませんでした。だからといって、変にアンプラグド的でもオルタナティブ系でもなくて、あの頃のメジャーなサウンドをしっかり聞かせてくれています。

VIVID SOUND HPにて全曲試聴できます


西海岸というより東海岸?
 ファーストアルバムはもうどこを切ってもウェストコースというさわやかなサンタモニカの風が吹き抜けるようなアルバムでしたが、セカンドアルバムは半分がLA、半分がナッシュビル録音ということ、そして何より、デヴィッド自身が現在カナダのトロント在住ということもあって、特に前半に3曲続くナッシュビルプロダクションのナンバーでは80年代のニューヨークやイギリス、まさにMTV時代を思い起こさせるサウンドでした。具体的に言うと、ウィリアム・ウィットマン、ロブ・ハイマン、フーターズ、シンディ・ローパー、パティ・スマイス、アウトフィールド、それにサイモン・クライミーといたっところでしょうか。「All Dressed Up」そのものの再現を期待したファンの方がこのあたりどのような感想をもたれているかはわかりませんが、私は80年代全般が好きですので、これはこれで楽しめました。何より、デヴィッドの甘さとさわやかさを兼ね備えた歌声が健在なのがうれしくてたまりません。
 LA録音のナンバーは話の振り出しとなったデモテープの中から日本サイドからリクエストしたナンバー、つまりAORファンに受けがよさそうなナンバーを選んで、ファーストアルバムのプロデューサーであるグレッグ・マティソンとそれこそファーストの再現を現在の条件で目指してのプロダクションだったわけですが、スターシップに提供していた「Before I Go」やあのジョン・ウェイトと共作しながらお蔵入りしていた「Stay With Me Tonight」とさすがに手堅いナンバーが並びます。しかし、そういった過去のデヴィッド・ロバーツへの思い入れがやや現在の彼にとっては「縛り」になってしまったかもという感も否めません。決して悪い出来ではないですが、私はナッシュビル録音の解放的なナンバーのほうがどちらかというと好みでございました。それでもLA録音の「If I Woulda' Been There」のキラーチューンぶりにはひれ伏するしかありませんが。
 これは今月リリースされる未発表音源集も楽しみになってまいりました。

来日公演決定!
 そしてニューアルバムのリリースにあわせて、デヴィッド・ロバーツの来日公演が決定!詳しくはVIVID SOUNDのオフィシャルサイト[こちら]をチェックしていただければと思いますが、10月4日の渋谷クラブ・クアトロを皮切りに6日が心斎橋クラブ・クアトロ、7日が名古屋クラブ・クアトロ、そして8日はもう一度渋谷クラブ・クアトロ。バックメンバーも含めてライブパフォーマーとしてのデヴィッド・ロバーツは未知数な部分が大きいですが、私も現在の家庭事情でなければ、何を差し置いても駆けつけたいところですが、現状では夜は外出できませんので…号泣。ぜひ熱心なファンの方は足を運んで感想を聞かせてください!ローソンチケット[こちら]でも販売してると告知されてますので、ローソン店頭にあるロッピーでの購入も可能かもしれません。



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posted by Alex at 01:31| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | evergreen (1980's Music) | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2008-09-29 22:34