GPFまであと3日、テレビで放送するテレビ朝日系のテレビ局では番組スポットを盛んに放送しています。その番組スポットに登場し「応援してくださいね」とあどけない表情を見せているのが浅田真央選手。昨年の全日本選手権では安藤美姫選手に続く2位、1位でも良かったのではないかという素晴らしい演技でした。元世界チャンピオンの荒川静香選手はその全日本を途中棄権していましたが、今シーズンはグランプリシリーズ中国大会、フランス大会でその荒川選手との直接対決に勝ち、フランス大会では世界選手権2年連続銀メダルのコーエン選手にまで勝って優勝、今や日本女子ナンバーワンの呼び声も高いですが、ご存知のように年齢が若すぎるためにオリンピックには出場できません。
スケート連盟の年齢規定と矛盾点
フィギュアスケートの競技年度は7月1日からはじまることになっていまして、この7月1日に15歳になっていなければ、オリンピックそして世界選手権には出場することができないのです。浅田選手は9月25日生まれでわずか3ヶ月弱年齢がたりませんでした。
以前は世界ジュニア選手権で3位以内に入ればオリンピック、世界選手権に特例で出場できるというルールもあったのですが、廃止されてしまいました。リレハンメルのオクサナ・バイウル、長野のタラ・リピンスキー、ソルトレークのサラ・ヒューズと若い選手がオリンピックで金メダルを獲得し、そのまま競技引退というパターンが多く、フィギュアスケート人気が盛り上がらなかったという商業的な理由があるのではといわれていますが、あくまでも国際スケート連盟は「医学的な理由」の一点張り。
先週、浅田選手はアメリカの選手でもないにもかかわらず、アメリカABCのテレビニュースがトップ選手がオリンピックに出場できないのはおかしいという異例のニュースを放送。その中で、オリンピック最年少金メダリストのタラ・リピンスキーさんが「ルールがあってもなくても若い選手が高度な技を練習することを止めることはできない」と、国際スケート連盟の矛盾点を指摘するコメントをしていました。
特例申請?
テレビや新聞などで日本スケート連盟が特例を申請するつもりだという報道りましたが、日本スケート連盟フィギュア部部長が「特例は申請しない」としてマスコミの先走った報道であることだと判明、騒ぎは沈静化に向かうと思いきや、なぜか元テニスプレイヤーの松岡修造氏が「浅田選手がオリンピックに出られように僕がサポートする」と宣言し、大○○国会議員なみの場外乱闘が始まってしまい、騒ぎはおさまっていません。しばらくはこの騒動が続きそうですが、浅田選手自身がそんなにがっかりしてるようなそぶりを見せていないのがせめてもの救い。あまり大人の事情でこれ以上彼女を振り回すのはかわいそうだと思うのですが、松岡修造は本当に国際スケート連盟を動かすだけの力をお持ちなんでしょうか。
浅田選手だけではない
韓国初の国際レベルの選手として話題になってるユナ・キム(キム・ヨンア)選手も、浅田選手同様、年齢不足でオリンピックには出場できません(韓国はオリンピック出場枠もありませんが、予選に彼女が出場していれば獲得できていただろうと言われています)。よくフィギュアの話で盛り上がるドイツの友達にこの騒動があったときに「ビッグニュース!」とメールしたのですが、彼女からは意外にも「ルールはルール」というクールな返事がきてしまって肩透かしをくらってしまいました。そんなドイツにも世界ランキングの上位にいながらオリンピックに出場できない選手がいます。サフチェンコ&ショーコルウィーというペアで、世界選手権は6位、今シーズンはさらに大きな飛躍が期待されています。しかし女性のサフチェンコ選手はウクライナ出身でドイツ国籍を持っていないためオリンピックには出場できないのです。2年間、その国のスケート連盟に所属すれば、世界選手権には代表として出場できるのですが、オリンピックには国籍(市民権)がなければ出場できません。最近、フィギュアスケートではこういった国際カップルが上位で活躍しているので、オリンピックが本当のトップ選手が欠けた大会になってしまおうとしています。
ベルビン&アゴスト組
その代表例がアイスダンスの世界選手権の銀メダリストでアメリカチャンピオンのベルビン&アゴストのカップルです。もともとはベルビンの美しさばかり注目されていましたが、アゴストの技術力も急激にアップして、技術力では世界チャンピオンのナフカ&コストマロフ(先日紹介:こちら)をも陵駕するのではと言われている人気のカップル。しかしベルビンがカナダ人でアメリカ市民権を持っていないためにオリンピックへの出場資格がありません。最近はこういったカップル競技で(旧ソ連から西側の国へ)力がある選手がパートナーと練習環境をを求めて国際カップルが誕生というパターンが多い中、ベルビンが練習するアメリカデトロイトは彼女にとっては地元なんです。と、いうのもデトロイトは川(運河)を隔ててカナダに接していて、彼女にとって、おそらく近所で最も練習しやすい環境がたまたまたま川の向こう側のデトロイトのスケートリンクだったというだけで、将来的に自分が世界でチャンピオンを争うようになり、このような問題が起こるなどとは、スケートを始めた頃には予想もつかなかったのではないでしょうか。となりまちの男の子とカップルを組んだら、国際カップルになってしまって、オリンピックへ行けない。ベルビンの置かれた状況はそんなところでしょう。
アメリカで市民権を得るにはグリーンカードを最低5年間維持いなければなりません。グリーンカードは未成年には認められませんから、現在21歳のベルビンにはトリノオリンピック前にアメリカ市民権を得るのは不可能でした。そこで、アメリカの国内法で特例を作ろうという動きがあり最後の望みをたくしたのですが…。
意外な横槍(ニュースソースはこちら)
ある1通の手紙が大きな波紋を呼びます。「アメリカ生まれのアメリカ人の権利が犯されるようなルール変更を認めないでほしい。」わかったような分からないような内容ですが、差出人を知れば理解できるでしょう。それはデイビッド・ミッチェルというアイスダンサーのお母さんでした。あて先はヒラリー・クリントン上院議員。ベルビン&アゴストがオリンピックに出場できなければ、オリンピックに出場できるかもしれないという微妙な立場の選手の母親が行動を起こしたというわけです。ベルビン&アゴストに特例措置が取られるかどうかもともと微妙でファンですら懐疑的でしたが、これには全米のスケートファンが憤慨、ベルビン達への同情論が高まっています。
過去にも似たようなお話が
実は1994年のリレハンメルのときにも同様の問題があって、ロカ&サーという男性がロシア人のアメリカ代表カップルのオリンピック出場を阻止するためにアメリカ人同士のカップル、パンサラン&スワローが移民局へ訴えるという事件もありました。当事者は必死なのは分かりますが、オリンピックというのも罪な存在ですね。
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「ベルビン&アゴスト オリンピック特例出場(決定はもう少し先)」
「全日本選手権迫る 浅田真央選手オリンピック出場騒動に思う」
「真央ちゃん効果、フィギュアの平均視聴率26%」
コメントありがとうございます。
その気持ちもすごく分かるります、浅田選手に出てほしい気持ちでいまだにいっぱい。いま、ロシアから友達が日本にきてるんですが、彼女は伊藤みどり選手ののファンで今は浅田選手に夢中。なんでオリンピックでないんだってまじで怒ってます。
ただ、無責任な盛り上げして浅田選手自信に「トリノオリンピックはどうですか?」なんて聞くのは無神経だと思うんですね。だって「でたい!」に決まってるじゃない。浅田選手は負けず嫌いだから「オリンピックでいけない自分」を見せたくなくてずっと「興味ない」ってスタンス続けてたんだと思いますが、まわりがあまりにも繰り返ししつこく聞く門で「少しは行きたいです」って言わされてしまう始末。ここまできたら行かせて上げてほしいよ。誰か責任取ったやって思う。
でも昨夜の松岡修造の発言はごらんになったでしょうか?テレビで「GPFで活躍すれば絶対オリンピックでられる!」とかいっておいてグランプリファイナルがはじまるまではさんざん盛り上げといて、テレビ朝日の放送が終ったらとたん報道ステーションでで「可能性は0パーセント。みなさんもいける選手を応援しましょう!」みたいなこと手のひら返しすように言ってしまってる、さんざん盛り上げたのは視聴率対策だったのか・・・浅田真央選手の気持ちを考えていたのか?15歳の女の子、普通ならつぶれちゃうよ。盛り上げるなら最後まで、途中ではしごはずすような行為は大人として最低だ。
この件はもう少し言いたいことがあるので後日書きます。
中野選手や安藤選手は、この前のグランプリでスルツカヤ選手と約20ポイントも差をつけられているんですよ。それに、安藤は3回、転んでしまうし。この選手達をオリンピックに出しても(断言できるわけではないが)まず、メダルは無理なのではないでしょうか。
それなら、グランプリで1位を取った浅田選手を出したほうがメダルには近いはずです。
それに、「日本のスケート連盟が特例を申請しないから認めない」といっているのならウダウダ言ってないで、申請したらいいんですよ。何か、出したくない理由があるのではないか!!と、叫びたくてしょうがありません。
・・・どう思いますか?
スケートファンの間ではすでに数年前から浅田選手はオリンピック間に合わないんだよね、残念だねって話は彼女がいい演技をするたびに話題になっていました。初夏にISUでオリンピックの最終的なレギュレーションやジャッジ構成を決める会議がたったのですが、そこで取り上げられなけなかった・・・というか日本が申請しなかった時点で、個人的にはもう間に合わないんだなと思いました。
日本の組織ってだめもとって考え方が通じないのかもしれません。もしダメだったときにメンツがつぶれるとか誰かが責任とらなきゃとかそんな組織の論理が選考して一番大事な選手のことは考えてないのかもって思いました。
早くに動いていれば申請が通っても通らなくても今回のような大きな騒動にはならず、選手のまわりがざわざわして競技に影響出るようなことはなかったのではないでしょうか。浅田選手にとっても他の選手にとっても現状はとても居心地がわるい状況だと思います。
それと、フィギュアに最近注目された方にお願いですがあるんです。「口を出すなら」「金も出して」。現実問題スケート連盟はほんとにお金がなかった・・・少なくても安藤美姫選手が稼ぎ出す前は。
試合会場に足を運んで入場料を払ったりパンフレットを買ったりするだけでいいんです。できればアイスクリスタルと言う連盟が運営するファンクラブに入ってもらえればなおいいです。それが選手の強化費につながったり、連盟が組織を強化してこのような問題が発生したときに有能な広報を雇ってもっとうまくマスコミ対応してネット上で誰か特定の個人に中傷が集中したり、ネット上で特定選手がでてきたらブーイングしようといった呼びかけが書かれることもなかったのにと思います。特例申請をするにしてもネゴシエーションの有能なプロを雇ったりできていればもっと計画的にすすめて浅田選手が出場できる可能性を広げられたかもしれません。今のスケート連盟の人はほとんどが本業がべつにあってボランティアで連盟の仕事をしているような状況です、そういう人たちはやはり、やっかいな問題にはかかわりたくなって当然だと思います。なるべく穏便にと。批判するのを機会にぜひ、日本のスケート界の現実も知ってほしいです。
遊びでスケートリンクへ行くのもリンクの収支が改善されて、選手の大切な練習場所であるリンクがこれ以上減ることを防げるのです。
せっかく、こんなにスケートに興味を持ってくださる方が増えたのですから、ぜひ、「なんぜ真央出さないんだ!」だけでなく、今後継続的に日本のスケート選手がトップで活躍できるようにファンがなにをできるかも考えてもらえるとありがたいです。
>>今のスケート連盟の人はほとんどが本業がべつにあってボランティアで連盟の仕事をしているような状況です、そういう人たちはやはり、やっかいな問題にはかかわりたくなって当然だと思います
何故ですか?相手が特例を申請して来たら考えるといっているのに。それに、いくら関りたくなくても、その仕事に自分から関ったのですから最後まで選手のことを考えてことを進めるべきですよ!
他の選手が浅田選手のためにオリンピックに出れなくなるのはかわいそうなどと言って!やる気もくそもないじゃないですか!
>>「なんぜ真央出さないんだ!」だけでなく、今後継続的に日本のスケート選手がトップで活躍できるように
しかし、今トップで活躍している浅田選手がいるのに、他の選手に期待しろといわれても・・・こんな近くに成績を出している選手がいるというのに!
スケート連盟から正式になんらかのコメントをだすようなニュースがでてたので、しばらくは静観したいと思います。
マスコミが一斉に浅田選手は出場できないということであきらめ路線に修正したのはどうしたんでしょうね?
火をつけれられたファンはそれじゃ納得できないですよね。