NHK杯の女子シングルで表彰台に立った選手をご覧になってお気づきになりましたか?スケート靴のエッジと呼ばれるブレード(以下 「エッジ」と書きますね)の部分、2位の村主章枝選手のように銀色が一般的ですが、1位の中野選手と、3位のリアシェンコ選手のは金色なんです。ブーツの部分はルールで男子は黒、女子は白かベージュと決められていて(ロシアのダンスの選手が紫にそめた靴ででてきたことがありましたが・・・)います。男子の場合は衣装に合わせて靴カバーをつける場合が多いのでルールの意味がないなとは思いますが。エッジの部分の色は特に既定はなかったと思います。最初に有名な選手でこの金色のブレードを使ったのは、アメリカのトニア・ハーディング選手でした。金メダル候補と期待されたアルベールビルオリンピックに登場した彼女が金色のエッジで滑ったのは、スケート選手の間ではかなり話題を呼びました。スケート靴を扱うショップの方にも問い合わせがあったようで、とある雑誌で、標準ではないですがオプションとして金色にメッキすることはできますといった回答が掲載されてたのを読んだことがあります。残念ながらハーディング選手がアルベールビルで不振だったことや、その後のケリガン殴打事件などで金色のエッジのイメージも少し悪くなって、すぐに追随する選手はみかけませんでした。しかし、近年はメーカーのカタログにも標準的なオプションとして金色のエッジが掲載されハーディングを知らない世代の選手も増えたこともあり、時々みかけるようになりました。元世界チャンピオンの荒川静香さんも金色のエッジで滑ってたときもありましたが、片方の靴が壊れて急遽古い靴で滑っため左右でエッジの色が異なるという珍ずらしい状態で試合に出場していてこのときも話題になったこともありました。トップ選手が使ってるエッジは安くても5万円以上、有名メーカーのものは7万円から10万円といったところが相場なんですが、ジャンプが高難度化した昨今は選手によっては3ヶ月程度で履き潰してしまうそうで、フィギュアスケートは大変お金がかかるのです。スキーだと一般的な愛好者が多いので用具を宣伝したいメーカーがスポンサーについてくれますが、マイスケート靴を持つような愛好者が少ないスケートの世界では用具メーカーの規模も小さく、世界のごく一部のトップ選手を除けば、自己負担と言う厳しい世界ですね。第一あんな小さなブレードや靴に広告を入れるスペースがありませんね。これは、以前、伊藤みどりさんの靴を作っていた鈴木スケートさんで聞いたのですが、みどりさんが現役の頃はみどりさんのエッジは連盟から支給されていてブーツの部分だけを鈴木スケートさんに注文にこられていたそうです。しかも、シーズン前にフリー用を1足つくるだけで、壊れない限りはそれで1年滑ったようです。円がドルに対してまだ240円の頃ですから、輸入物が中心のフィギュアスケート用ブレードが今よりももっと贅沢品だったせいもあるかもしれません。少し話がずれましたが、中野選手が金のエッジで滑るようになったのは、おじいさんのアドバイスがあったそうです。中野選手の出身は金のしゃちほこで有名な名古屋ですし、金色っていうのはあってますね。「金メダル」っていうのを意識しての選択だと思いますよ。
色といえば、銀色のブレードで滑った村主さんですが、「金メダル」にこだわってないわけではなさそうです。コスチュームがゴールドをメインにした衣装でしたから。先日のスケートカナダでは別の衣装ですからいよいよオリンピック用?もしくはオリンピックを目指すための衣装としてこの金色のコスチュームを用意してきたようですね。これも昔話になりますが、渡部絵美さんが1992年のアルベールビルで伊藤みどりさんがクリスティー・ヤマグチ選手に僅差で敗れて銀メダルだったときに、「伊藤選手は銀色の衣装、クリスティー選手は金色の衣装を着てた、ほんとうにそれぐらいの差しかなかった」とコメントしていたのを鮮明に覚えています。たしかに伊藤選手はワインレッドに銀糸の刺繍、ヤマグチ選手は黒に金糸の刺繍でした。
女性ですからお洒落でという気持ちからかもしれませんが、やはりオリンピックシーズンだけにいろいろなところで験を担ぎたい、そんな心境がでているのではないかと思いました。
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