2010年09月29日

岩崎宏美35thAnniversaryコンサート 宇都宮市文化会館

岩崎宏美 35thアニバーサリーツアー 秋バージョン
 初夏の中国遠征に続いて、初の関東遠征行って参りました、9月25日の宇都宮公演。
 今回はインターネットに初めて手を染めた頃にお知り合いになり、今までありがたくも10年以上もメールのやりとりなどでお付き合い続けていただいた方と初めてのご対面、そしてその方のご親友も一緒にコンサート観賞ということで、公演の前後も楽しく特別な旅行になりました。ファンとしては新しい曲もたくさん聞きたいですけど、懐かしい曲がいっぱい聞けるセットリストだと、あまり熱心な岩崎宏美ファンでない方でも気軽に誘うことができるので、今回はそのご利益を堪能いたしました。宇都宮で集合してすぐ、わがままをいってまずは宇都宮餃子を食べに行きました。宏美さんの楽屋にも宇都宮餃子の差し入れがあったようですが、1個1個があっさりしていていくつでも食べられそうな餃子でまた食べたくなる味でした。
 さて、開場20分前には着いていたのにすでに駐車場は満車、会場のロビーはすでにたくさんの方であふれていてすごい熱気。午前中に台風が接近していたとは思えないほど午後からはお天気に恵まれたこともあって、西陽が差し込むロビーは暑いほどでした。当日券を求めて窓口にも行列ができていました。広島岡山公演に比べると観客の平均年齢は10歳ぐらいわかくて40〜50代中心で、若い方も少なくなかったように見えました。ここ数ヶ月の間にHey!Hey!Hey!や歌ばんなど若い方が見るテレビ番組へ出演した影響もあったでしょうか?会館主催の公演ということで大規模な宣伝などはされてないようでしたが、1階席は満員、2階席もほぼ埋まっていて、3階席はもともと販売されずクローズされているようでした。
 広島公演でのエントリーでも書きましたが、広島公演の宏美さんは素晴らしかったんですよ、だから、今回もあのレベルのステージを期待するのは酷かな、などと勝手に思いながら、観客席についてツイッターを確認するとギターの馬場一嘉さんが「リハ終了なり。良いステージになりそうです」とつぶやかれているのを発見し急に期待に胸が高鳴ってどきどきしているうちに開演のベルが鳴りました。

自分が見た中で最高のステージかもしれない!
 本当にそう思いました。秋バージョンのツアーをまだご覧になられていない方で、大阪や東京公演をご覧になられない方にはなるべくセットリストの詳細は知らないでステージに臨んでいただけたいので、後半のパートは読まないようにしてくださいね(非常に歯がゆいですが)。ここではコンサート全体の感想を書きます。
 広島&岡山公演から曲数が3曲増えたことになるでしょうか、そしてさらに2曲が差し替えられていたので広島&岡山とは違うナンバーを5曲楽しむことができました。そのほかにもアレンジを変えた部分(メドレーのソロパートや「夢やぶれて」のイントロ部分とか)やもしかしてメドレーの一部でキーが変更になった曲もあったでしょうか(キーが変わってなくて宏美さんが好調なために余裕を感じただけかもしれませんが)。秋バージョンと宏美さんがライブレポートで書かれているだけあって、夏前に見たステージとはまったく印象の違うステージになっていました。
 新しく歌うことになった曲、1曲だけは紹介させてください、スタートしてすぐの「家路」が「ただ愛のためにだけ」に変更されていました。実は今回のツアーではこの曲がなくてさびしかったので「家路」が聞けないのは残念でしたが、うれしかった。そして、これまでにもシングル、アルバムバージョンにライブアルバム(DVD含む)にアルバム「PRAHA」でのオーケストラバージョンさらにテレビ出演やコンサートそして京フィルとの共演ステージなどで何度も何度もこの曲を聞いてきましたが、こんなに力強い「ただ愛のためにだけ」は初めてです。中島みゆきさんが書かれた言葉のひとつひとつがずしんずしんと心に響くようなそんな宏美さんの歌声に驚かされました。「家路」のほうが一般的に知られた曲なので、ステージの流れという点でどうなのだろうと気にはなりましたが、32年ぶりの宏美さんのステージとなる一緒に行ってくださった方は最近の曲はご存知ではなかったのですが、「2曲目から一気に引き込まれた」と終演後おっしゃっておられましたのでまったく問題なかったのではないでしょうか。11月に控えているドヴォルザークホールでのコンサートではアルバム「PRAHA」が軸になると思いますので「ただ愛のためにだけ」の復活もそこへ向けてのウォームアップ的な意味合いもあるのでしょうか?そしてこの歌での力強さが、この日のステージに一貫していたように思います。「学生街の四季」ではびんびん声が響いていましたし、一番驚かされたのは「シアワセノカケラ」、今年、京フィルと共演したシンフォニーホールでこの歌に開眼した私ですが、シンフォニーホール、岡山、広島、そして宇都宮と毎回、宏美さんのこの歌での歌唱の変化に驚かされるばかり。そのときの心情や体調なども含めて、その日、そのと時の岩崎宏美をこの歌で表現しているようなそんな気持ちにさせられます。まさにライブ、生歌の醍醐味ですね。宇都宮ではファルセットによるやわらかい表現は最小限にして、まるでオペラの壮大なアリアを聴いているような、しんみり聞くというよりは、ふつふつと心の奥から勇気が湧き出してくるようなそんな歌声で、今、こうして思い出していても胸が熱くなってきます。
 今回からステージ中央にモニターが置かれ、宏美さんから歌詞をチェックできるシステムに変更になったことが、宏美さんの不安をひとつ解消するのに役立ったのかもしれませんし、宏美さんがステージでもおっしゃっていましたが、当日の朝の朝日新聞土曜版に宏美さんの「思秋期」についてとてもよいコラムを書いてもらえたことも、ご本人にとってはうれしかったのかもしれません。それだけでなく、ギターの馬場さんやピアノの上杉さんのツイートによると、今回はいろいろなコンディションが整っていたということで、このステージをその場で体験できたことを心から喜びたいと思います。
 あと、今ツアー初の前方の席だったので宏美さん以外のバンドのメンバー、特にギター、ドラムス、ベースの方の動きはじっくり見ることができました。ギターやベースは曲によって楽器を持ち替えたり、中には曲の中で持ち替えたりもされているんですよ。「聖母たちのララバイ」の後半のギターは圧巻でした。そして、このバンドほとんどの方が歌えるバンドなのです。みんなでコーラスパートを振り分けて歌ってらっしゃって馬場さんの声は聞いているだけだと女性かと思うような高いきれいな声でした。後ろの席からだったら、えっちゃんいっぱい声出して大変だな、などと呑気に聞いていて絶対気づかなかったと思います。

両手振り振り
 「すごい」「驚いた」ばっかり書いていますが、一番驚いたのは「私たち」での両手の上がり方すごかった!観客席は熱気に包まれていたものの声援が飛ぶとかいったことはなく、みなさんおとなしく公演が進んでいたので、「私たち」ではもうひとりだけで両手上げるのかな、なんて気弱になってきたので、自分に勢いをつけるために「じゃーん」と「私たち」のイントロが始まったところで「ひろみちゃーん」と絶叫してしまいました。普段は音があるところでは声援をかけないことにしているのですが(今回、耳障りだった方ごめんなさい)。すっと手を上げてみたら、あらまあ、あちこちから上がる上がる。岡山のそれこそ両手で数えられるほどだったあの寂しさがうそみたい。野鳥の会を呼ばなきゃ数えられないほどあがりましたよ。宏美さんもそれに応えて歌の後半では高いヒールなのにぴょんぴょん飛び跳ねながら両手振り振りされるほど盛り上がりました。これが響いたのか、最後の「聖母たちのララバイ」の前には足が痛くなってしまい、低いヒールに履き替えるハプニングも。特にステージ最前列中央の方は熱心なファンの方たちなのでしょう、一番のりのりで見ていて楽しかったです。
 その後のバンドのみなさんのソロパートが大幅にビルドアップされ、超かっこよくなっていました。印象が強烈だったのは、馬場さんのギター、そして山川恵津子さんのキーボード、痺れました。そういえばバンドのメンバー紹介でピアノの上杉さんは18歳から本格的にピアノを練習しだしたということをおっしゃっていてこれも驚かされました、独学で学ばれて、今や宏美さんのステージのアレンジを一手に担っているようになってらっしゃるんですよね、ついついいろいろなことで「子供の頃に親が習わせてくれなかったから」なんて言い訳しがちな私は猛反省です。
 そして衣装をチェンジして登場した宏美さん、宏美さん自身がはじめて「両手振り振り」について話されるのをここで聞くこととなりました。宏美さんのHPには「手を上げたいのだけど上げられなかった」なんてメッセージも寄せられているそうで、「その気持ちもちゃんと感じていますよ」なんて優しい発言もありましたし、「もちろん、手を上げてくださっている方は、ウェルカムです!」ともおっしゃってくださいました。みなさん勇気を持って、大阪や東京ではがんがん上げましょうね!
(「私たち」は紙ジャケットシリーズの「あおぞら」[こちら]または「GOLDEN BEST U」[こちら]に収録されています。)

ニューアルバムからの3曲
 10月20日に発売されるカバーアルバム「Dear FriendsX」からは3曲披露、2曲は誰もが知っている有名な曲で、どちらもオリジナルが名唱として知られていますので、チャレンジですね。特に2部の最初に歌われたナンバーは、誰がうまく歌っても賛否両論でることがわかっているだけに、カバーしたことはもちろん、早速こうしてステージで披露するのは勇気がいることなのではないでしょうか。もう1曲は知る人ぞ知るナンバーですが歌詞が強力で話題になりそうですね。歌詞を聴きながら真っ先に顔が思い浮かんだのは百恵ちゃん…ってあまり書きすぎるとネタばれしちゃうのでこの辺で。MCでは八神純子さんの話やヨシリンと「恋のフーガ」をデュエットした話などが話題になりました。キーボードの山川恵津子さんは八神さんの長年のサポートメンバーですので、なかなか聞けないような八神さんのお話も聞くことができましたよ。アメリカでは現在は子育て中心の生活のため、日本に来るにあたっては3ヶ月ぐらい前からジムに通ったり、ボイストレーニングをしたり準備をしっかりしてこられるのだとか。この夏、話題となった思い出のメロディーでの堂々とした歌いっぷりの裏にはやはりたゆまぬ努力があったわけですね。
 「Dear FriendsX」発売がますます待ち遠しくなりました。コンサートやプラハ公演、ディナーショーなど、この先、年末へ向けてますますスケジュールがハードになっていきますが、プロモーションもしっかりして多くの方の耳に届くようになってほしいですね。テレビを中心としたメディアへの露出、レコード会社のサポートがあることを大いに期待しております。購入を検討されているファンの方にはぜひ、CD店やインターネットなどで予約することが、プロモーションの大きなモチベーションになることを理解して、「予約」のひと手間を惜しまないでほしいとお願いしたいです。握手会参加のためにコンサート当日まで買うのを控えるという方もいらっしゃるとは思いますが。(「Dear Friends BOX」、アマゾンで予約すると3000円近く安いです!)

7月まで?
 MCでは35thツアーは来年の7月まで続くとおっしゃっていました。姫路、大阪、東京、千葉、さらに春には神奈川、大宮までは発表になっています。もし、このエントリーを読んで下さり興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ足をお運びください。コンサートとしては決して高い価格設定ではないですし、「声」の力を感じることができるコンサートらしいコンサートである点については絶対に期待を裏切らないステージになることは間違いありません。

(この先はネタバレ有りですのでこれからステージをご覧の方はご注意を!)

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ラベル:岩崎宏美
posted by Alex at 03:36| 大阪 ☀| Comment(23) | TrackBack(0) | evergreen (女性ボーカル) | 更新情報をチェックする

2010年09月07日

映画「Cop Out」を救ったあの大物シンガーの新曲

邦題は駄洒落っすか?「コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら」[公式ページ]
 本当はバイオハザードを3Dで見てみたかったのですが、足を運んだシネコンでは上映されてなかったので、ブルース・ウィリス主演の刑事モノを見てきました。80年代-90年代と映画を楽しんだ世代にとっては、制作費/宣伝費に巨額をつぎ込むイベントムービーばかりに主演してたあのブルーノの主演作がこうして宣伝もされずひっそりと上映されているのはさびしいかぎり。内容もバイオレンス、笑い、お色気、過去の映画へのオマージュなどいろいろ詰め込みすぎて散漫な印象。ストーリーの軸がはっきりしてるのが救いで、それがなければ眠ってしまいそうでした。ただ、最後の最後で流れてきたエンディングテーマで目がばっちり冴えましたよ!ほかの観客が早々に席を立つ中、ある確信を持って、クレジットをしっかり見るために前方の席へと移動してしまいました。

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posted by Alex at 00:42| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | evergreen (女性ボーカル) | 更新情報をチェックする

2010年09月04日

「インセプション」を見て

夢の中の夢を共有
 夢の中までは隠し事はできないとばかりに産業スパイが対象者の夢にもぐりこみ企業秘密を探り出す…という荒唐無稽なプロットなわけですが、目覚めるまで現実と区別できないほどリアルな(もしくはリアルに感じる)夢にうなされることが多い私がするっと映画の世界観に入ることができました。夢の世界なので夢の設計者の思うままというところで、映像的にも楽しいものをいっぱい見せてもらえたし、こういうのだったら3Dもよかったのでは?と思わされるところも存分にありました(実際には2Dのみですよね?)。キャンペーンで来日したときは体のゴツさが気になったレオ様も、さすが撮影する側はプロですね、映像の中では完全な2枚目に映っていました。逆に渡辺謙の貧弱さが気になったかな?監督が渡辺謙にほれ込んで役を作った割には軽いキャラでしたし、目的を達成するためならそんな手の込んだことしなくても、ほかにやり方はいっぱいあっただろってところで現実世界の荒唐無稽さだけは最後までなじめませんでした。
 ライバル会社を解体するために2代目社長の夢に入り込んで、先代が会社を解体してほしがってると思い込ませるミッションをチームで遂行するわけですが、チームが設計した夢をターゲット本人の潜在意識が作り出した本当の夢だと思い込ませるためにさらに夢の中の夢を設計士、そしてトラブルのためにさらに夢の中の夢の中の夢にまで潜り込んでいくというのは文字で読むほどややこしくはなく、映像で丁寧に描写されるので、上映時間の長さにさえ耐えることができるのなら、飽きることなく楽しみながらエンディングを迎えられるはずです。
 果たしてレオ様にとってはハッピーエンドなのかどうか。それは見た人にもわからない?なんてことになっているのかな。そこだけは消化不良。

posted by Alex at 10:20| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | 更新情報をチェックする