5月で復刻盤シリーズ完結? 4月リリース分からは「夕暮れから…ひとり」ヘビーローテーションで聞いていて、それに続いて「私・的・空・間」も聞いてはいるものの結局感想文は間に合わず。アナログ盤からカセットテープに録音して聞いていたのが20年前ということで、ちゃんと覚えているつもりでも曲順やアレンジなどで思い込んでいたのと違う部分がかなりあったりして、思い出にひたりながらも聞くたびに新しい発見があって新鮮で聞き飽きません。ちっとも古く感じないのは、しっかりした演奏によって作りこまれていることと、リマスターのおかげかな?
「私・的・空・間」の感想は後回しにして、5月リリース分も今回はリリース前におすすめエントリーをなんとか間に合わすことに。今回のリリース分はCD登場以後のものがほとんどで、最初からCDで購入してそれから20年以上、ことあるたびに出して聞いているものもあるので、先月リリース分を発売前にあいまいな記憶に頼ったご紹介とちがって、音を聞きながらの楽しい作業になりはずでした…がまたもや泥沼の長文地獄にはまって気がつけば発売直前。最後は徹夜仕事になるかと思いました

。発売日が過ぎますと、Tower Recordのサイトでは試聴が可能になると思いますので、ご興味をもたれた方がいらっしゃいましたらぜひまずは音を聞いてみてくださいね。
5月発売の6枚 発売当初リリースされたオリジナル盤のほうのCDをこうして並べてみるとなかなか壮観。CDがここまで普及しないうちに廃盤になったものもあるので、ネットオークションで4桁で取引されたこともあるものもありますが、しつこくずっと持ち続けてそしてこのうちの3枚はかなりしつこく聞き続けてきました。
「I WON'T BREAK YOUR HEART」 デビュー10周年を記念して制作されたLA録音盤。海外録音は1980年の「
Wish」以来となる2度目、前回は筒美京平先生が全曲を作曲&プロデュースも担当していましたが、今作はなんとデヴィッド・フォスタープロデュース、スティーブ・ルカサー、マイケル・ランドウ、ビル・チャップリンとそうそうたるメンバーが参加した本格的にメイド・イン・アルバム。今回あらためてクレジットを見ると、それから10年以上たって私の一番のお気に入りのキーボーディストとなるランディー・カーバーも参加しているのを見つけてにっこり。当時はまだ1ドル240円とかって時代のはずですから、どれだけ制作費をかけたのか気になるところ。
ただ、大手事務所に所属し人気歌手としてスケジュールをこなしていた時代、おそらく1週間か長くても2週間ぐらいの現地滞在期間でレコーディングされたものと想像します?(追記:1ヶ月もLAに滞在していたということがわかりました…贅沢な仕事だったんですね)こういう無機質で今聞くとデモ
テープのようにすら聞こえる
サウンドは当時の流行だったとしても、
フォスタープロにしては作りこみ感がなく解放感に溢れる歌声が良さだといえば良さであり、物足りないといえば物足りないかな?と今になって文句はつけてみてもずっとお気に入りのアルバムとして20年以上聞き続けてきていますので特別な1枚。(5月27日訂正:ずっとフォスタープロの作品だと思っていてフォスターのプロデュースにしてはボーカルの作りこみ感"テイクやリハーサルを重ねてボーカリストを縛り付ける感じ"がないなーと不自然に感じていたのでよけいに解放的に聞こえてしまっていました。)
デヴィッド・フォスターの書き下ろしはないですが後半に向けて何曲か収録されたバラードがフォスターマナー使いまくりで、いやがおうにも盛り上がります。LA録音とはいっても英語詞のナンバーはビルチャップリンと
デュエットした「Both Of Us」を含めて2曲だけで、残りは山川啓介と佐藤ありすが日本語詞を作成、特にバラードの「Coud You Be The One」や「I Won't Break Your Heart」には何度も泣かされました。
ボーナストラックはこの時期にリリースされた国内録音のシングル3枚のAB両面(うち「未完の肖像」は10周年記念シングル)と10周年記念のベストアルバムにボーナストラックとして収録された「そばに置いて」。
これだけ書いてもまだ書き足りないので後半でさらに紹介したいと思います。
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「戯夜曼」 この時期の岩崎宏美を応援していたファンにとっては忘れられないこれまた特別な1枚。大手事務所を独立していろいろと活動に制限があった中、CMをきっかけにシングル「決心/夢狩人」のスマッシュヒットを経てリリースされたアルバム。
タイトルを決める会議のときに当時のレコード会社のスタッフがビートたけしと同じだったことや3文字のタイトルの曲名でそろえていたことなどもあり「"なおん"なんてどう?」みたいな冗談を本人が言ってる横で、マネージャーさんが思いつめた顔をして「"戯夜曼"ってどうでしょうか?」と切り出したのを見て「この人こんなに真剣に考えてくれてるんだ」とびっくりした(おいおい!)と岩崎宏美がタイトル決定の逸話を
ラジオで話していたことを思い出します。帯以外のアルバムジャケットや歌詞カードには"戯夜曼"の文字はく、"Diamant"と書かれているのが当時は不思議でした。うっすらダイアモンドのことだろうというのは分かったのですがどうにも「戯夜曼」との関係がよくわかりませんでした。"Diamant"って
フランス語なんですが最後の「t」を発音しないのでカタカナで書くと"ディアマン"、ディアマン、ギィヤマン、ギヤマン、戯夜曼、いやー難度高いっす。皆さんすぐに気がつかれていました?(もしかしてこれも違うのかな?)
「決心」以外はすべて松井五郎の作詞でタイトルが3文字でないことも含めてアルバムの世界観から「決心」だけ浮いているかもしれません。サウンド的にも女性ファンの獲得を意識した詞にしてもレコード会社としてはシングル「20(はたち)の恋」の次にやりたかったライン上の作品なのかな?と今振り返ると気づかされます。彼女がラジオで詞が好きだと言っていたのは「偽終止」、私が好きだったのはやはり彼女の声が生かされたバラード「誘惑雨」。
アルバム収録の「夢狩人」はシングルとは別アレンジでしたが、今回はもちろん両方を収録。そのほかのボーナストラックは「ファンタジー」までのシングル両AB面のオリジナルカラオケ。
このアルバムも長くなるので後半で別に紹介します。
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「Cinema」 ザ・ベスト10のスポットライトには出演できたものの、引き続き「夜のヒットスタジオ」など大手プロダクションが制作に関与している歌番組には出演できなかった頃の作品。何しろ、朝刊の
テレビ番組欄に名前があって、時間になってチャンネルを合わせてみるといなかったなんて「少女隊」みたいなことが(って今の人は知らないか

)岩崎宏美に起きていたなんて、ファンだけが気づいてこっそり心を痛めていました。代わりにと言ってはなんですが、NHKはそれに配慮するかのように以前の倍ぐらいのペースでテレビに出してくれていたような印象が残っているのは錯覚でしょうか?
そんなこともあって「戯夜曼」と「Cinema」にはファンの思い入れだけでなく、レコード会社も企画段階から気合が入っているのがよく伝わってきますし、何より岩崎宏美の気合の入り方がここまでのアルバムと全く違う次元の2枚になっています。全曲松井五郎の作詞で、ブレイク前の久保田利伸作曲のシングル「月光」以外はいろいろな名画にインスパイアされたタイトルや歌詞の歌で固められていています。編曲も全曲奥慶一が行っていて前作以上にジャケットはこれも嶋田ちあきさんじゃなかったと思いますが大胆なヘアー&メイクで「私・的・空・間」のライナーノーツででてくるバージョンアップされた眉毛ってこれのことでしょうね。
「夢狩人」や「決心」と同じ本人出演のCMに起用された軽快な「慕情」はシングルカットしなかったのが本当にもったいないキュートなポップチューン。和で洋でもないポップミュージックから生まれた当たりくじだと思います。「そのとき彼女はジンセバーグ」「シンデレラ・ラッシュアワー」の詞も大好きですし、BOXにも選出されていたエンディングの壮大なバラード「さよならは2度ベルを鳴らす」は岩崎宏美の限界に挑戦するような声に癒されますし、この後、路線修正をすることになったのが今でも本当に残念。セールスが思ったほど伸びなかったのが原因だったのでしょうか?
このアルバムも大好きな作品なので後半へ続きます。
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「わがまま」 CDが登場して25年になるでしょうか?発売当初には夢のメディアとして、寿命は「半永久」などともてはやされましたが、その後、紫外線やシール不十分による記録面の酸化などで、寿命があるということが話題になったりしましたが…このアルバム久々に取り出してみて聞いてみると、何曲かでPCのCD演奏ソフトがフリーズすることが判明。記録側を見ても大きな傷が見当たらないので「これが寿命というものか」と今回はじめて意識しました。そんなことに今回初めて気づいたほど聞いてないなこのアルバム。前作にあまりにもはまりすぎて、次のこのアルバムがリリースされてもずっと聞いていたのもありますし、リリースされたタイミングが暗黒の男子高校時代で受験勉強をまじめにしていたわけでもないですが、毎日輸入レコード店に足を運んでは全米Top40や全英Top20でチェックしたものなど気になるものはすべて試聴しないと気がすまないぐらい洋楽にどっぷりはまった音楽生活だったせいかもしれません。好きな曲もあるのですが、アルバムの統一感が感じられず、1枚通して聞き直すというのは発売当時以来初になるのかも。
すでに「カサノバL」や「恋人以上」などで当時はまったく気がつかなかった魅力の虜になっていますが、今回の紙ジャケットシリーズの再発売でアルバム全体の個人的な評価が変わるかどうか、楽しみです。岩崎宏美自身のコメントでこのアルバムがどんなコンセプトだったのか知りたいところ。
このアルバムにはしっかり「島田千秋(漢字表記がいまと違いますね)」のクレジットを発見。独立以後ここまでのアルバム3枚、「眉毛までの前髪にストレートのロングヘアー」という従来の岩崎宏美のイメージを排除しようという姿勢が徹底されていますね。そのことは「戯夜曼」の詳細のところで少し触れてみました。
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「よくばり」 女性の心をつかむにはやはり女性の作詞家でということでしょうか。「10カラットダイヤモンド」以来の全曲女性作詞家の作品で統一されたアルバム。ゴージャスのヘアスタイルはやはり「Chiaki Shimada」。このジャケットも好きだな。ようやく夜のヒットスタジオも出演が解禁になって、早速マンスリーゲストとして1ヶ月間の連続出演をするなどファンとしてはほっと一息つけた思い出のアルバム。
夜のヒットスタジオではこのアルバムからシングル「最初の恋人達」「夜のてのひら」以外にも「二人をすべて」を歌ったことを覚えています。このアルバムも通してヘビロテで聞いた記憶はないもののこの「二人をすべて」がお気に入りで、今でもこの曲を聞くとようやく愛だの恋だのに夢中になりだして、毎日、切ったの貼ったのしながら血染めの心を抱えて、友達と長電話した記憶などがよみがえります。
火曜サスペンス劇場の主題歌第4弾「夜のてのひら」はこれまでの木森敏之に代わって久々に筒美京平の作曲による作品になっています。木森敏之さんは翌年に40歳の若さで他界されているので、もしかしたらこの時すでに体調が悪かったのかもしれないと今回あらためて考えたりして。流れるようなメロディーラインに岩崎宏美の歌声も完璧に近い美しい響きで、これは久々に大ヒットするのではないかと期待したものです。
この「夜のてのひら」をプッシュしていた頃にラジオ大阪で放送されていた長寿レギュラー番組「あなたへの贈り物」も終了(ほかの地区では続いていたのかも…)。今振り返ると、ラジオ番組終了で自分は一度、歌手岩崎宏美を卒業していたことに気づきます。日曜日の夜のFMの番組も始まっていましたが、あちらでは自分自身のナンバーよりも洋楽の世界を紹介してくれて、どんどん洋楽にのめりこんでいく自分にはぴったりな番組でしたが、結局、それもあって岩崎宏美を聞く機会は逆にどんどん減っていくことになりました。例えば「ユージン・ワイルド」なんてあの番組で紹介してもらえなければ一生聞かなかったかもしれません。
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「Me Too」 リリースされたときに一応ファンとして買いましたけど当時はほとんど聞きませんでした。なぜかわからないんですけど、当時は「声が変わっちゃった」って思ったんです。ミックスのせいかもしれませんが「声が遠い」って。岩崎宏美の作品でそんなことを感じたのは初めてだったのでびっくり。ジャケット写真が前作に比べてすっかり劇痩せしてしまってるので、「病気でもしたんじゃないか?」ってまじめに心配したものです。その後、結婚することが発表されて「心配して損した」なんて思ったかもしれません。
恐ろしいものでこのアルバムの曲は1曲も鼻歌で歌えないので、今回聞きなおしてみても、全曲新曲の新しいアルバムを聞くような気持ちで聞いてしまいました。思っていた以上にPOPなアルバムでびっくり。歌謡曲が廃れてJPOPへどんどん業界が流れていた時代だったのかな?メインで作曲している和泉常寛は世間的にはオメガトライブの仕事で知られているそうなのですが、当時オメガトライブは聞いていなかったので私の頭の中では早見優のアルバムに曲を書いていたぐらいの知識しかなかったかな

。恐ろしいもので調べなおしてみるとちゃんとファーストとセカンドで曲を提供していて(「少しだけオトナ」は鼻歌で歌えてしまった

)、三つ子の魂百までとは言いますが、レコードを買い始めた最初の頃に見たクレジットって頭にちゃんと記憶されているものですね。
全部通して聞いてみるとなかなか軽やかでポップな曲が多かったことがわかりましたが、テイストが岩崎宏美というより岩崎良美のラインかな?
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以上が今月リリースされるシリーズ最後の6枚になります。個人的なおすすめは「I Won't Break your Heart」「戯夜曼」「Cinema」そして「Yokubari」になるかな。最初の3枚はここまでで書き足りなかった思いを、この先、いつものように長文で綴っております。
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